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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 3
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陰陽庁修祓局。
この局には霊災を修祓する霊災修祓室のほか、霊災の感知を担当する情報課など様々な専門部署が存在し、霊災修祓室に属する陰陽師は祓魔官と呼ばれ、おもに霊災の修祓任務にあたる。
十月三十一日の夜。都内を中心に同時多発した霊災を修祓するため、祓魔官のほとんどが出動していたが、それ以外の部署に属する者たちは比較的平和な時間を享受することができた。
「国営放送も民間放送も霊災関連のニュースばかりだな」
「あたりまえだろ。まだフェーズ4は確認されてないが、どこもかしこもフェーズ3だらけだ。範囲だけなら上巳の大祓以上だぜ」
「そういや今夜の霊災はなんて命名されるんだろうな」
「ハロウィンだし、欧風の命名がされたりしてな」
庁舎食堂内に複数設置してあるTVの前で人の山を作り、ニュース番組に見入っているのは開発研究部や呪捜部の中でも鑑識課といった『実戦向きではない』陰陽師たちだ。
「お、CM入ったぞ。別のチャンネルにまわせ」
『ウハウハで行くか?』
『ザブーンだな!』
「ん、なんだ? この局は、こんな時でも映画なんか流しているぞ」
「ああ、テレビ大江戸だろ。ここは昭和天皇が崩御された時も通常放送だったからな」
「ぶれない放送局もあったもんだ」
などというのん気なやり取りができたのも、その時までだった。
『庁内で作業中のみなさんにお知らせします。防瘴戎衣を着用し、庁舎前に整列してください。これは演習ではありません。繰り返します。防瘴戎衣を着用し、庁舎前に整列してください――』
非常招集を告げるアナウンスがスピーカーから流れ、たちまち騒然となる。
「おいおい非常招集って、マジかよ!?」
『マジです』
「わっ、アナウンスが応えた!」
『ここは陰陽庁です。壁に式神、障子に式神。あなたたちの声は筒抜けです。隠しごとなどできません』
「ううっ、これは素直に招集に応じなければあとが怖い……」
観念して庁舎前の広間に集まった職員たちの前に、大型の外輪のついた楼船が陸を走り、姿を現した。
否、楼船のような造形だが船ではない。船首部分と船尾部分に巨大な車輪がつけられ、マストの代わりに護摩壇がしつらえてある。
陰陽庁が誇る一両十億円の可動護摩壇ヴリティホーマ。
全長二十メートル、護摩をふくめた全高は十五メートル。呪術によって強化された装甲は木造の見た目よりもはるかに堅固な造りとなっている。五行砲を始め数種の呪具が装備された、対霊災用の『戦車』だ。
「おい、まさかあれに乗って修祓しに行けってんじゃないだろうな」
「霊災の修祓もヴリティホーマの運転…、じゃなくて操縦なんてできないぞ。おれはただの広報だ」
「おれだって人事部だぞ、現場組じゃない」
可動護摩壇の出現にいっそ
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