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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 3
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だ。現代の吟遊詩人だ」
「ゴールドカードを何枚も持っているアーティストねぇ。おおかた成金の道楽息子が、いい歳して臆面もなく親のすねにかじりついて穀を潰してるんだろう」
「お、おれのダディは政治家や官僚に顔が利くんだ。おまえらこんなことをしてあとで後悔するからなっ」
「あとで後悔ですって? 後悔ってのはもともと先にするものじゃないでしょ。まともな日本語も使えないくせして、なにが詩人よ」
「クリエイターといったが、女の子を痛めつけたりするのがおまえの中では創造的な行為なのか? だいたい日本で一流と呼ばれるクリエイターの中でクスリなんぞやってるやつがいるかってんだ。そんなのに頼らなければ創作ができないってことは、二流三流の証拠だろうが」
「ぐぬぬ……」
「なにが『ぐぬぬ』だ。きちんとした言葉を発してみろ、即興で詩の一つでも作れないのか?」
「…………」
「魏の曹植は七歩歩く間に詩を作ったし、唐代の李白は一斗の酒を飲む間に百篇の詩を作ったそうだぞ。おまえはどうなんだ?」
「技能装飾? 東大海苔吐く? なんだそれは?」
「おまえさん、少しはものを知ってから創作活動を始めるべきだな」
「ねぇ、秋芳君。さっきの娘を治してあげたいんだけど、撫で物してもいい? あたしまだ傷を移すのって、やったことないから」

 撫で物。身体をなでた後に形代や人形をなでることで災いや穢れを移し、身代わりとして水に流す祈祷や禊ぎの儀式。厭魅に属する呪術でもある。

「そうだな、ちょうど良い機会だ。ためしにやってみようか」

 自分を痛めつけた男たちが無残にころがっている様を見て、少しは溜飲が下がったのか、少女は安堵の表情で京子の前に進み出た。

「怖がらないでね、あなたの傷を癒す儀式だから」
「……はい」
「形代に依りて傷を癒す。等しく害を返したり。疾く、疾く、疾く……!」
「うっ! うぎゃあッ! い、痛い。痛いぃぃぃィィィッ!!」

 少女の身体にできていた無残なあざが一つ、二つと消え。代わりにマルチなんとか男の身体に大小無数のあざが生まれた。
 人を呪わば穴二つ。これはなにも呪術に限った言葉ではない。他人を傷つけ、苦しめるような悪事を働いた者には、かならずや報いがあるのだ。
 念のため悪漢どもを縛り上げたあと、少女にお金とお菓子をわけあたえ、夜明けまでは建物の中から出ないよう、朝になったら警察に通報するよう言いふくめた京子は階下のホールで霊気が異常なうねりをしているのを感じとった。
 異界へと通じる穴が開いたのかと、そちらに向かう。
 だがそうではなかった。そこでは一人の祓魔官が霊災相手に大立ち回りを演じていた。

急急如律令(オーダー)!」
「ピギャー!?」

 祓魔官の行使した呪術を受けた骸骨や小鬼、シーツお化けなどの複
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