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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 3
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 魔物たちの間から歓声が上がり、どんちゃん騒ぎへの期待がふくらむ。その興奮は京子たちにも伝わってきた。

「来た! 行くわよっ!」
「おう!」

 百鬼夜行を従えて、うつし世へと踊り出た。





 陰陽庁が燃えている。
 いや、燃えているのではない。屋上の巨大な鳥居の奥にしつらえたかがり火が燃え盛っているのだ。

「アシャアシャ・ムニムニ・マカニムニ・オウニキウキウ・ムカナカキウキウ・トカナチコ・メカナチタナチ・アタアタ・ナタナタ・リウツ・リウツ・キウキウツル・キニキニキニ・イリマリマ・クマ・キリキリキリ・キリ・ニリ・ニリ・マカニソバカ――」

 陰陽庁それ自体を巨大な護摩壇に見立て、火を焚いている。煙が空へと昇る中、数十人の誦経の声がものものしく響きわたる。
 陰陽庁に残された一般職員の多くは真言を解さない。意味もわからず渡された経文の文字をそのまま読み上げているだけだ。だが、だからこそ雑念もなく一心不乱に唱えて、力も生まれる。
 護摩壇の前、供養印を結び、職員たちと同じ真言を唱える倉橋源司のもとに呪力が集まる。
 大元帥法。古くは平将門や藤原純友の起こした承平天慶の乱。元寇のさいにもちいられ、太平洋戦争末期に金剛峰寺でおこなわれたこの呪法の効果で時のアメリカ合衆国大統領、フランクリン・ルーズベルトを呪殺したとも伝わる。
 これは土御門夜光が呪術を現代に復活させる直前の話だ。もし夜光その人がこの呪法を執り行っていたら、日本は連合国に勝利した可能性もある。そのくらい強大無比な呪術なのである。

「アシャアシャ・ムニムニ――」

 呪力が高まるにつれ倉橋源司が唱える真言が、いよいよ高まってくる。
 ゆらりと、彼の身体から陽炎が立ちのぼった。大気のゆらめきではない、霊気のゆらめき。
 やがてそれは大地へと流れ、地下深くへと浸透する。東京の霊脈を御すべく、その触手を伸ばし始めた――。





 新宿都庁が燃えていた。
 こちらは比喩ではく、本当に燃えている。ただし呪術の炎で。
 燃え盛り、煌めく炎の壁。炎の塔、炎の城、炎の剣、炎の槍、炎の矢、炎の竜、炎の巨人、炎の獅子、炎の巨人――。
 不動明王の眷属が次々と顕現し、その威光を世に知らしめているようだった。

「ノウマク・サラバ・タタギャテイビャク・サラバ・ボッケイビャク・サラバタタラタ・センダ・マカロシャダ・ケン・ギャキギャキ・サラバ・ビギナン・ウンタラタ・カンマン――」

 都庁のツインタワーにはさまれて宮地が唱えているのは金剛手最勝根本陀羅尼。密教の調伏呪術の火界咒だ。ただただ一心に火界咒を念じ、唱えている。
 一才の魔軍を焼き尽くし三千世界を焦土と化すとされる不動明王の火界咒。
 それを一人で唱え続ける。倉橋源司の
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