176部分:TURN17 南京戦の後でその七
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TURN17 南京戦の後でその七
「太平洋のことだが」
「日本帝国ね」
「そうだ。あの国は間違いなくガメリカと戦争になる」
レーティアから見てもだ。このことは確実だった。
「そしてエイリスともだ」
「勝てるかしら、日本は」
「無理だな」
冷静にその国力を見ての言葉だ。
「とても。もたない」
「もってどれ位かしら」
「一年か。長くて二年か」
その程度だというのだ。
「いや、一年もてば充分だな」
「足止めができるのはそれ位ね」
「その間にエイリスを倒し東方に進出する」
レーティアは既にそこまで考えていた。戦略は立てているのだ。
「日本がもっている間にガメリカに対抗する国力を備えなければならない」
「そういうことね。だからこそね」
「日本には足止めをしてもらいたい」
「けれど長くて二年だと」
「不安だ。だからてこ入れを行う」
日本に対してだ。そうするというのだ。
そのことを話してだ。レーティアはここで潜水艦のところから戻ってきたエルミーにこう告げたのだった。
「エルミー、頼みたいことがある」
「私にですか?」
「そうだ、御前にだ」
自分と然程変わらない背丈の小柄な少女にだ。レーティアは言うのだった。
「御前には日本に行ってもらいたい」
「私が日本に」
「日本への助っ人だ。無論潜水艦隊と共に」
「えっ、潜水艦もって」
「我が国の秘密兵器もなのか」
レーティアの今の言葉にはだ。グレシアもドイツも驚きを隠せなかった。
そしてそのうえでだ。二人でこう言うのだった。
「また思い切ったてこ入れね」
「デーニッツ提督だけではないのか」
「てこ入れは思い切ってこそだ」
レーティアは驚きの顔の二人にも述べる。
「だからこそだ。私はエルミーと潜水艦隊を日本に送る」
「そうしたら日本も潜水艦を開発するわね」
「それならなおよい」
このことも読んでだった。レーティアはまさに先の先を読んでいた。
「日本の戦力があがればそれだけもってくれるからな」
「成程ね。それならね」
「ここはデーニッツ提督しかいないか」
「エルミー、いいだろうか」
レーティアはエルミーをあらためて見ながら問うた。
「御前に日本に行ってもらいたい」
「畏まりました」
一も二もなくだ。エルミーは真剣な面持ちでドクツ式の敬礼を行った。
そしてそのうえでだ。こうレーティアに応えた。
「ではすぐに」
「頼んだぞ。日本を助けてくれ」
「そして日本への技術援助もですね」
「それも頼む。日本人は独創性は乏しいが手先は器用と聞く」
このことは既に世界的に有名になっていることだ。
「御前が教えれば彼等は必ず潜水艦を開発するだろう」
「そしてそれだけではなく」
「潜水艦の乗組員の育成も
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