第六幕その六
[8]前話 [2]次話
「どうぞ」
「ではお言葉に甘えまして」
「はい、どうぞ」
先生にとても大きなお弁当を渡してくれました、そちらもお握りでおかずはハンバーグやゆで卵、サラダや林檎でした。
そのお弁当を食べてです、先生は笑顔で言いました。
「美味しいです」
「そうですか」
「はい、とても」
量は違いますが同じお弁当を食べている日笠さんにお話します。
「量も多いですしね」
「先生は大柄なので」
だからというのです。
「量も考えました」
「そうでしたか」
「はい」
そうだというのです。
「そうさせてもらいました」
「それは何よりです」
「たっぷりお召し上がり下さい」
日笠さんは先生ににこりと笑って言いました。
「それだけの量はあると思います」
「はい、これだけあれば」
まさにというのです。
「お腹一杯です」
「それは何よりです」
「はい、そしてお弁当ですが」
今食べているそれはといいますと。
「お握りがいいですね」
「お握りお好きですか?」
「大好きです」
実際にというのです。
「日本に来てからそうなりました」
「日本人はやっぱりこうした時はです」
お外に出た時はというのです。
「お握りです」
「そうですよね」
「それでそのお握りをですか」
「はい、好きになりまして」
そしてというのです。
「今もです」
「楽しまれていますか」
「この通りです」
右手にお握りを持ってお口の中に淹れて楽しく食べつつ言います。
「美味しく」
「ではお腹一杯です」
「いただきます」
こうした和やかなお話もしてです、先生は日笠さんが作ってくれたお弁当を楽しみました。そしてです。
先生はお昼を食べてからあらためて海を観て言うのでした。
「こうした海を観て」
「そうしてですね」
「和歌を作ることは」
日笠さんに応えて言うのでした。
「素晴らしいことですね」
「花鳥風月の全てをです」
「自然のですね」
「それを謡うものでして」
和歌はというのです。
「季節のお花だけでなくです」
「海や川もですね」
「謡います」
和歌はというのです。
「そうします」
「そうしたものですね」
「花鳥風月と恋愛をです」
「恋愛も重要な要素ですよね」
「和歌には」
「自然と恋愛を共に詠う」
先生は目を細めさせて日笠さんにお話していきます。
「それが詩であり」
「和歌も然りですね」
「和歌はその融合が特に素晴らしいですね」
「自然と恋愛の」
「その融和がです」
まさにというのです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ