第六幕その二
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「皆にも言われるし」
「そうでしょうね」
「前に進んだらとかよく言われるよ」
「サラさんも言われますしね」
「サラが言うのは結婚だよ」
先生は笑ってサラのこともお話しました。
「日本に来たらいつも言ってるね」
「ですからそれがですよ」
「それが?」
「ううん、何て言えばいいのか」
先生のあまりにも鈍感さんに苦笑いのままのトミーでした。
「まああれです、青い鳥は傍にありますね」
「自分達のお家にあったね」
「はい、ですから」
それでというのです。
「先生もですよ」
「幸せはすぐ傍にある」
「そうです、そのことは覚えておいて下さい」
「うん、わかったよ」
このことはわかる先生でした、それもよく。
「忘れないよ」
「本当に頼みますよ」
「さて、後はね」
王子は朝御飯を食べたところで言いました。
「日笠さんのお家だね」
「もうすぐよね」
「そうよね」
「日笠さんのお家は」
「あそこへの到着は」
「うん、すぐ近くだからね」
先生のお家からです。
「すぐだよ」
「それじゃあだね」
「日笠さんのお家に行って」
「そしてだね」
「須磨の海に行くんだね」
「そうするんだね」
「そうだよ、じゃあ皆は皆で」
そしてというのです。
「僕とトミーとそれに爺やと一緒にいて」
「執事さんと」
「そうしてだね」
「お二人はお二人でね」
仲良くとお話してです、そうしてでした。
先生達は日笠さんのお家に行ってそこで日笠さんをお迎えしてでした、そのうえで須磨の海に行きました。
その須磨の海を見てです、王子は先生に言いました。
「いい海だね」
「うん、澄んでいてね」
「この海を源氏の君は観ていたんだね」
「そうだよね」
「この海を見て」
ここで言ったのはダブダブでした。
「源氏の君は都や想い人のことも考えていたのね」
「そうだろうね」
ジップはダブダブのその言葉に頷きました。
「流されても色々とね」
「憂うからこそ余計に思って?」
ポリネシアも源氏の君を思います。
「さらに憂いていったのね」
「何か憂いって柄じゃないね」
チーチーは明るいことが大好きなのでこう思うのでした。
「ブルーな考えばかりするのはよくないよ」
「そうそう、先生も言ってるしね」
「暗くなる時は本とか読んだり楽しいドラマを観る方がいいって」
チープサイドの家族も言います。
「暗くなるより明るくなるべき」
「そうだってね」
「実際その方がいいよね」
ガブガブも言います。
「暗くなるよりは」
「何か源氏の君は暗くなりやすい?」
こう言ったのはガブガブでした。
「先生のお話を聞いてると物語全体でね」
「あっ、そんな感じするね」
老馬も先生のお言葉を思い
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