174部分:TURN17 南京戦の後でその五
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人は再びポーカーをはじめていた。
「ガメリカの国力は桁違いじゃ」
「我が国の十倍はあります」
「そんな国との長期戦は無理じゃ」
「少なくとも今の時点では」
「それこそアラビアまで完全に占領したうえで向かわんとな」
「ハワイすら陥落させられません」
「逆に言えばアラビアまで占領できればじゃ」
エイリスの植民地の大部分をそうできればだというのだ。
「大きいのう」
「ガメリカに勝てるだけの国力になっています」
「だからじゃな。まずはマニラやミクロネシアのガメリカ軍を叩き」
「そのうえで守りを固めてです」
「アラビアまで一気に進むか」
「あの辺りのエイリス軍は植民地駐留艦隊だけです」
東郷はその彼等のことも熟知していた。既に。
「装備は劣悪な叛乱鎮圧用のものだけです」
「しかも分散配置をしておる」
植民地の叛乱鎮圧用であるだけだからだ。そうした配置にもなっているのだ。
「各個撃破して下さいと言わんばかりじゃな」
「ですから」
「賭けに出て一気にアラビアまでじゃな」
「占領します。そして返す刀で」
「ハワイを攻める」
「そう考えています。どうでしょうか」
「言うのは容易いがな」
山本もだ。秋山や日本と同じことを言った。言いながらカードをまた切る。
そうしてだ。カードを見ながら述べたのだ。
「それでも実際にそうすることは難しい」
「まさに賭けの連続です」
「ガメリカは急襲して戦力を整える前にアラビアまで攻め取ればよい」
山本はガメリカはまだいいとした。
「しかしエイリスの方はじゃ」
「はい、本国から艦隊を送ってきます」
「そうじゃ。必ず送ってくる」
「彼等は装備もよく優秀な提督が司令官になっているでしょう」
「容易な相手ではないぞ」
山本は普段は見せない、深刻な顔で述べた。
「おそらく騎士提督の一人が来る」
「エイリスの誇る」
「しかもあちらの祖国も来るじゃろうな」
イギリスである。彼も来るというのだ。
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