~prelude~
~tragedy and encounter~
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手で引いていたブレークコードのハンドルにつま先を突っ込み、逆さ吊りの姿勢になった。そのまま物凄いスピードでまっすぐ飛んでくる。
都合、俺はアイツに向かって走る形になった。
「−マジかよ……!」
相手の意図が分かって、俺は青くなる。こっちが気付いたことに気付いたらしく、少女は、
「ほらバカっ!全力でこぐっ! 」
大声で命令しつつ、逆さ吊りの手を十字架みたいに広げた。
−バカはそっちだ!そんな助けかたがあるか!
もう俺はやけくそでチャリをこぐ。 全速力で!
2人の距離はみるみる縮まっていく。
−上下互い違いのまま、俺は少女と抱き合った。
そしてそのまま、空へさらわれる。息苦しいくらいに顔が押し付けられた少女の下っ腹からは、クチナシの蕾のような、甘酸っぱい香りがして−
ドガアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!
閃光と轟音、続けて爆風。俺が乗り捨てたチャリが、木っ端微塵に爆発したのだ。
あの爆弾はやっぱり本物だった−!
熱風に吹っ飛ばされながら、俺たちは−引っ掛かった桜の木にパラグライダーをもぎ取られ、グラウンドの片隅にあった体育倉庫の奥に突っ込んでいった。
がらがらと音を上げ、何にぶつかったのかも分からず……
−俺の意識は 途切れた。
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