172部分:TURN17 南京戦の後でその三
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るかどうかはわからないのよ」
ランファにしてもだ。それは知らないというのだ。
「けれどそれでもね」
「声をかけてくれるか」
「あのまま動けないよりはましでしょ」
こうした考えもだ。ランファにはあったのだ。
「だから。そうさせてもらうわ」
「わかった。では頼むな」
「それにしても。あんたって不思議な人ね」
ランファは東郷の余裕のある飄々とした顔を見てだ。くすりと笑って言ったのである。TURN17 南京戦の後でその三
「あのね、何でなのよ」
「何でとは?」
「日本帝国軍にはあたし好みの男がいないのよ」
「そういえば君は確か」
「そう、あたしの好きなのは金髪なのよ」
こう東郷に言うランファだった。
「金髪で目が青くてね。そうした男がいないのよ」
「日本だからな」
東郷の返答はここからはじまるものだった。
「それはな」
「金髪がいないこともなの」
「仕方がない。しかしだ」
「しかしって?」
「男は金髪だけじゃない」
東郷は余裕の笑みでランファに返す。
「そのことはわからないか」
「わからないわよ。全くね」
「それがわかるようになりたいと思わないか」
「?」
「俺が言うのも何だが男は金髪だけじゃない」
東郷はランファの前に座った。そのうえでだ。
彼女のその目を見ながらだ。こう言ったのだった。
「そのことを知ってもらいたいが」
「日本帝国軍に入って?」
「ははは、そう考えるか」
「だって。日本軍連合艦隊司令長官のあんたが来るってことは」
そこから言うランファだった。
「それでよ。あたしをスカウトしに来たってことよね」
「それはその通りだ」
「で、日本帝国軍に入って?」
「俺を見てくれればいい」
「あんた、その金髪よりも凄いっていうのね」
「そのつもりだ」
自信に満ちた声での返答だった。
「もっとも強制的に言うつもりはない」
「成程ね。話はわかったわ」
「ではどうしてくれるか」
「そこまで自信があるのなら見せてもらうわよ」
これがランファの返答だった。
「あんたがそこまでいい男がどうかね。それにね」
「それに?」
「今日本帝国軍にはリンファもいるし」
盟友であるだ。彼女のことにも言及するランファだった。
「それに香港さんやマカオさんの兄妹もいるわね」
「その通りだ。あの人達もいる」
「あの人達の面倒も見ないとね」
ランファは祖国への愛情も見せた。香港やマカオ達も彼女の祖国の一部なのだ。
それ故にだとだ。ランファは東郷に答えたのである。
「だから。そうさせてもらうわ」
「それは何よりだ。話は早いな」
「ああ、それとね」
「それと?」
「あんたにしてやられたあの人」
あの娘ではなかった。ランファは自分と相手の年齢から言
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