暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1883話
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、順平の立場が悪くなるのはおかしくなかった。
 勿論真田が順平を嫌っているという訳ではないのだが……ただ、真田の場合、順平は模擬戦に誘っても自分の糧にならないと判断しているのが大きい。
 順平がボクシング部に顔を出して、真田にスパーリングをして欲しいと言えば、話は別なんだが。
 正直、この辺りも順平の行動に対して抱く不満の1つでもある。
 自分を特別な、選ばれた人間だと思っているからなのか、順平は殆ど訓練の類をしていない。
 大剣を使うのであれば、それこそ最近順平と一緒にいる事の多い宮本が所属している剣道部に顔を出すとか、すればいいと思うんだが。
 だが、放課後になれば街に遊びに出ているし、桐条や真田、有里から話を聞いている限りでは、寮で自主的に訓練をしている様子もない。
 ……まぁ、実戦で自分を磨くと言えば、それはそれで納得出来ない訳でもないんだが……何度も戦いを潜り抜けてきて、戦いの基礎が身についているならともかく、順平の今の状況で体力トレーニングの類もしていないというのは、どうかと思う。

「そうだな、順平でも誘ってみたらどうだ? 元々素人なのに、普段からトレーニングをしている様子もないんだろ? 遊び気分のままだと、どうなるか……それが分からない訳じゃないよな?」

 俺の口から出た言葉が予想外だったのか、真田は言葉に詰まる。
 ゆかりみたいに、部活で訓練をして、数日おきにタルタロスで戦いを行い……とまでは言わないが、それでももっと訓練をした方がいいのは間違いなかった。

「順平をか? ……ふむ、そうだな。アルマーがそう言うのであれば、それを考えてみてもいいか」

 俺の言葉に、真田は少し考え込む様子を見せる。
 うん、まぁ……取りあえず順平の一件は真田に任せておくとしよう。

「お人好しにも程があるんじゃない?」

 考え込んだ真田から離れると、ゆかりがどこか呆れたように言ってくる。
 その気持ちは分からないでもないんだけどな。
 ただ、順平や友近と一緒に遊んだ、高校生らしい放課後の時間というのは、俺にはかなり貴重な日々だったのだ。
 であれば、多少なりとも順平のフォローをしても問題はないだろう。
 勿論、この機会を生かすも殺すも順平次第ではあるのだが。
 そんな風に考えつつ、俺はゆかりと共に靴を履き替え、教室に向かう。
 やがて教室の中に入ると、いつものように席に着く。
 以前であれば、鳥海が来るまでは順平と話をしたりしていたのだが。
 今の俺達の関係では、そんな事が出来る筈もない。
 俺よりも前に教室に入っていた順平は、教室に入ってきた俺の方を一瞬見るが、すぐに視線を逸らして宮本との話を再開する。
 その宮本は順平の様子に俺の方へ申し訳なさそうな視線を向けるが、順平との話を続けていた。
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