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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 2
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ラも減るわけである。
アメリカは綿花栽培での黒人奴隷の酷使と、クジラの大量殺戮によって貯め込んだ資本を元手に世界一の工業大国になったといえる。
クジラを殺すだけ殺したアメリカ人だが、その肉を口にすることはほとんどしなかった。
基本的に欧米人は自然のことを人間が征服すべき対象としか考えていないので、クジラの体重の一割しかない油を採ったあとに肉を捨てても、命を粗末にする。などという考え方はしなかったようだ。
縄文時代からクジラを獲り、肉も油も皮も骨も髭も、なにもかも無駄にすることなく使わせてもらい、慰霊碑まで建てる日本とはおおちがいだ。
閑話休題。
我々に暴虎馮河の勇をふるえというのか!
SPがそういう意味の言葉を心中で叫んだ時、現実世界でも別の叫び声がした。
『Trick〜or〜Treat〜!』
海面が丘のように盛り上がると同時に、えらくまのびした声がとどろいた。
クジラだ。
クジラが甲板に乗りだし、その大きな口からお菓子をおくれと言っているのだ。
「Oh my goodness……!」
それだけではない、口の中から異形のものたちが次々と踊り出て、唖然呆然とする人たちをさらにおどろかせた。
「こ、これは霊災じゃないか!?」
「陰陽庁に連絡を!」
「祓魔官を呼べ!」
船上を逃げまどう紳士淑女たち。パーティー会場をめちゃくちゃにした先ほどの騒ぎがここでも繰り広げられた。ある男など鹿の足と山羊のひづめを持った毛深い獣人ウリシュクに追われ海へと落ち、落ちた先でさらに魚の尾に藻のたてがみをはやした半馬半魚ケルピーに小突き回される始末だ。
「派手に騒ぐのはいいが死人が出たら寝覚めが悪い。あまりハメをはずさず、海に落ちたやつは助けてやろう」
「そうよね。ちょっとそこのギルマン! ご婦人へのちょっかいはそのくらいになさい。そこで泣いてるミノタウロスとオーク、ステーキやミートローフを見て泣いちゃう気持ちはわかるけど、暴れちゃダメよ?」
クラスのまとめ役であり、鬼神を使役する陰陽師でもあるからか、京子はごく自然にこの異形の群れを仕切るようになっていた。
ひと通り見て周り、魔物たちの手綱を締めたあと、まだ無事な姿をとどめているテーブルに近づいて料理を物色する。
「ターキーのクランベリーソースがけがあるわ。前に食べたことあるけど、しみじみと不味かったわね」
「唐揚げにレモン汁じゃあるまい、肉に果物の甘いソースなんて普通に合わないよな」
秋芳と京子。二人とも酢豚にパイナップルは不要派であった。
「トマトをゆでて食べたり、ポテトサラダにリンゴを入れたり、欧米人の味覚はよくわからん」
「料理はともかく夜景は素敵よ。ナイトクルーズだなんてお洒落
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