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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 2
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もう、めちゃめちゃだ。
『Trick or Treat!』
「え、これ? お菓子が欲しいの? あげる、あげるわ。あげるからアッチ行って!」
身につけた菓子の一部を魔物に与えたコンパニオンはその場を逃げ出すことに成功したが、そうでない者はたちの悪いいたずらの洗練を受けることになった。
「ギャー、なにこの頭!? いつの間にアフロになってるの!」
「あんたなんてまだマシよ、あたしなんてモヒカンよ!」
「やだぁ、うんこみたいな髪型になってる…」
「臭ッ!? あんたそれ、ほんとうのうんこよっ! うんこがのせられてるわ!」
「巻きクソよ!」
「エンガチョ!」
「ぐぎゃーっ!!」
金持ちに媚びへつらい、寵愛を得ようと着飾った女たちは、いとあはれ。たちまち無惨な姿へと変貌を遂げた。
阿鼻叫喚である。
「ハッハッハ、みんな楽しんでるね。けっこうけっこう……、おっ! つかまえたよ。君はだれかな?」
みずから目隠しを取った光輝の目の前にいたのは、顔のすべてが吸盤状の口になったバレリーナ・デンタータだった。ヤツメウナギのような円口にびっしりと牙が生えている。
「まあぁああーまあぁーああーあ!」
関根勤のような奇声をあげてのけぞり、卒倒した。
二度あることは三度ある。あわれ光輝はこの日三度目の気絶をすることになった。
「うわぁ……。酷いありさまね、これ」
「なんかジョー・ダンテ監督の『グレムリン』のワンシーンみたいだな。……お! これモロゾフのチョコじゃないか。ゴディバもあるぞ」
「せっかくだからいただいちゃったら」
「そうしたいのは山々なんだが、あいにくとこの式神には賞味・消化機能はまだつけてないんだよ。しかし一口数百円のチョコをこんなに用意するだなんて、どこのブルジョワだよ、まったく」
京子の目が床にのびる光輝を発見し、続いて魔物たちにいたずらされて逃げまどうコンパニオンたちの姿を捉える。
「こいつ、なにやってんだか……」
「ん? なんだ、あの成金じゃないか」
「お見合いしたそのすぐ後で女遊びなんて普通する? 信じらんない!」
「いたずらしてやれ」
「ええ、そうさせてもらうわ」
京子はおもむろに取り出したマジックペンで光輝のひたいに『肉』の一字を書いた。
「マジックなんて持ってたんだ」
「え?」
言われてみれば、と心底意外そうな顔で手にしたペンを見下ろす。
「そういえば、なんであたしこんな物を……」
「どっから出した?」
「……気がついたら手の中にあったわ」
「そいつの顔にペンで落書きしようとしたら、出てきたのか?」
「そうなの、かしら……」
周りを見まわすと逃げ遅れたコンパニオンの顔や身体に『メス豚』『bitch』
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