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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 2
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 夜行日とは陰陽道の忌み日で、正月の他に。二月の子の日、三月四月の午の日、五月六月の巳の日、七月八月の戌の日、九月十月の未日、十一月十二月の辰の日。これらの日は百鬼夜行が出現する夜行日であり、昔は物忌みの日として人々が夜に出歩くことを戒めていた。

「ええ、たしかそうだったわね。でも霊災対策の鬼気祓えは陰陽庁がきちんとしてわよ」
「そうだが、万霊節。ハロウィンに対する鬼気祓えはしてないよな」
「そりゃそうよ。だってハロウィンは西洋の行事だし」

 日本の年中行事には陰陽道の思想の影響が見られる。
 元旦の屠蘇、正月七日の七草、二月節分の豆まき、桃の節句のひな祭り、端午の節句、夏越しの祓え、七夕、八月朔日、重陽の節句、大晦日の追儺。などなど……。
 これらはただの伝統行事というだけでなく、土御門夜光の執り行った大儀式の失敗により、こんにちの日本で猛威をふるう霊災への備え。霊気の偏向を正す儀式でもあった。
 そのため陰陽庁は季節の節句などで鬼気祓を実施している。

「ハロウィンという習慣が日本に定着したことにより、霊的呪的なパワーを得てフェーズ4の霊災と化したんじゃないかな?」

 ハロウィンはもともと呪術的な意味のある祭事。それが東京という日本有数の霊災多発地帯の霊脈に感化され、霊災化する可能性は否定できない。

「……もしそうなら、来年からは夜行日と節句の鬼気祓えの他に万霊節の鬼気祓いをする必要があるわね」
「仕事が増える一方だな」

 その時、変化がおとずれた。
 周りの魔物たちの歩きが急に速くなった。それだけではなく、彼らの間にざわついた期待感のような空気が流れていた。これからちょっとしたイベントがあるぞ。そのようなわくわくした感じが伝わってくる。
 流れる気の速度も早まる。前方に小さな光が見えたが、そこからこことは異なる気が感じられた。

「お、外の気だ。たぶんうつし世に出られるぞ」
「じゃあ一気に抜け出しちゃいましょ」

 場所もさだかでない異空間で下手に動きまわるのは危険と判断し、まわりの魔物を刺激せず、百鬼夜行に交ざり歩いていたが、脱出の好機はすぐにおとずれたようだ。
 かすかな光は見る見る大きくなり、近づいて来る。いや光が大きくなっているのではなく、こちらがあの光にむかって押し流されているような感覚だ。
 強い風圧にも似た力が百鬼夜行全体にかかり、光へと押し出される。
 もとの世界に出られる。京子たちはそう確信した。





 原宿表参道は日本で始めてハロウィンパレードが実施されたことで有名だ。
 そのためこの界隈でのハロウィンイベントは他とは一味ちがう。仮装した多くの人が原宿表参道を約一キロメートルに渡って行進し、周辺の店舗ではハロウィンメニューの提供や子どもたちへのお菓
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