EX回:第29話(改2.1)<旅立ちの朝>
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座った。
「出します!」
埠頭のロープを外し内火挺のエンジン音が高まった瞬間だった。
「総員、敬礼!」
「あれ?」
さっきの金剛だろうか? ……誰かの号令と共に埠頭に面した鎮守府の宿舎の扉が全て開け放たれる。そして中に居た200名を越えると思われる艦娘達がどーっと、駆け出して来た。
「見て見てぇ」
「わぁ、凄いっぽい」
船内の艦娘たちも振り返る。
ブルネイの艦娘たちは各自、宿舎の前や通路、それに岸壁にズラッと整列すると一斉に敬礼をした。大将を含めて鎮守府総員か?
「これは圧巻だ」
思わず感嘆の声が出る。
私と技術参謀以下、挺内の美保の艦娘たちもそれに応えて一斉に敬礼をした。ブルネイの埠頭で朝日を浴びる艦娘たち。
「青葉さん良い写真を撮ってね」
「任せてください!」
龍田さんに言われた青葉さんは、そう言いつつ盛んにシャッターを切る。うん、それでこそ青葉さんだな。
整列する双方の艦娘たちが勢ぞろいだ。連合艦隊の歴史に残り得る名場面だ。
「あれ?」
ざっと見た感じでは武蔵様が見えない。
なぜか隣の参謀が口を開く。
「彼女は敢えて、こういう場に出て来なくても許される雰囲気はあるな」
「そうですね」
私は同意した。
「今日は良い天気ネ!」
金剛の声を受けた港湾部の水面が朝日を反射してキラキラと輝いていた。
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