EX回:第29話(改2.1)<旅立ちの朝>
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った。
直ぐにキャッキャという声がして今回の演習メンバー同士……双方の金剛と比叡が4つ巴で艦娘の友情を暖めている。
「何やっても賑やかで、ややこしい連中だな」
私が言うと秘書艦も苦笑した。
日向や赤城さん、それに龍田さんは、お互いに静かに会話している。
ブルネイの夕立は改2だから明らかに格上だ。美保の夕立は頭を撫でられて複雑な表情をしている。妙な構図だな。
一方の青葉さん同士は、なぜかあまり交流してないな。先方の青葉さんは妙に膨れてるし。こちらの青葉さんは撮影で忙しい……。
実はさっき先方の川内から未使用のフィルムが青葉さんに返却されたのだ。それは良かったのだが「記者同士」は競争意識が働くのだろう。あまり馴れ馴れしく、しないようだ。
改めて同じ顔ぶれが双方に居る図式は不思議だ。違和感があるが、こちらの時代になれば当たり前なのだろう。
私は頭を下げつつ大将に言った。
「今回は突然の来訪で申し訳なかったです」
「いや、いいさ。俺としても貴重な体験だったしな」
そう言いながら私たちはガッチリと握手を交わした。青葉さんは盛んにシャッターを切っている。
大将は続けた。
「それに、また飯が食いたくなったら、遊びにくりゃいい」
それを聞いて私は一瞬、考えから笑いが込み上げてきた。
「アハハ……かなり遠いと思いますけど」
(空間だけではない。時間も越えたんだ)
日が昇るにつれて気温が上がり、風が出てきた。
パタパタという衣擦れの音に振り向くと技術参謀は、いつの間にか白衣を着ていた。
「何ですか? それは」
「私の普段着みたいな物だ……というよりは、私なりの礼服だな」
「はぁ」
この人の精神構造はやっぱり分からない。
その横には長い髪を風になびかせた寛代だ。相変わらず静かにしていたが受電したのか参謀に何か話しかけている。
頷いた参謀は全体に言う。
「そろそろ、出るぞ」
埠頭からはブルネイの駆逐艦たちが敬礼をして内火挺への案内をする。こちらも準備OKのようだ。
「今日は……五月雨ではないようだな」
つい呟くと参謀は突っ込みを入れてくる。
「何か言ったか?」
「いえ」
「では全員、乗船だ」
「総員、乗船!」
秘書艦の祥高さんが指示を出し、日向が復唱する。
「ハッ、乗船開始!」
艦娘たちは一斉に内火挺に乗り込んでいく。私は大将に軽く会釈をして桟橋から船内へ。
「あれ?」
操舵手を見て、ちょっとビックリ。
「君は吹雪か」
「はっ、よろしくお願いします!」
吹雪は、どこへ行っても吹雪だな。
「頼むよ、吹雪」
私は少し微笑んで言った。
「は、はい!」
私は技術参謀と並んで提督席に
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