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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 1
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………」
「もしあたしがあいつに惹かれるようなそぶりを見せたら、お見合いをめちゃめちゃにしようとか考えてたんでしょ?」
「……まさか、分別ある大の大人が、この賀茂秋芳がそんな無体な真似をするわけがないだろう」
「もしあたしがあいつに惚れちゃったりしたら、怒る? 悲しい? 泣いちゃう? 呪っちゃう?」

 魔女のコスプレをしていているせいだろうか、京子は意地の悪い質問を連発した。ふだんは秋芳に翻弄される側なので、これはこれで気持ち良い。

「……君がだれかを好きになったら、俺は鬼になるかもな」
「あなたならさぞかしすごい鬼になっちゃうでしょうね。十二神将がいっぺんにかかっても修祓できないほどに強力な鬼に」
「そういうことだ。世の中の平和は君の双乳……、じゃなくて双肩にかかっていると言ってもいい。世のため人のため。なにより俺のために俺を見捨てないでくれ」
「それならあなただって同じよ。もし浮気したり他の人を好きになったりしたら、あたしは蛇になってあなたに巻きついて焼き殺しちゃうんだからっ☆」
「清姫かよ……」
「おたがい鬼や大蛇にならないようにしましょ」
「そうだな、霊災を修祓する陰陽師が動的霊災になるなんて、冗談じゃない」
「ところでその姿…」
「うん?」
「簡易式……、じゃないわよね?」
「ああ、色々と手をくわえて穏形と変化能力を向上させた、隠密機能特化型のオリジナル人造式だ」
「秋芳君本人がこっちに来られない?」
「あー、それはちょっと無理かな。禹歩を使うにしても距離がありすぎる。霊脈を乗り継ぎするにしてもちょいと時間がかかりそうだ」
「そう、残念。じゃあせめて式神越しでもいいからデートしましょう」
「ああ、そうしようか」
「でも風船の形じゃ雰囲気が出ないわ。等身大の姿になれないの?」
「今のところなれない。隠密用に作ってあるから、ミニマムサイズがデフォなんだ。……だけどそうだな、魔女っ娘のコスに合わせて……」

 言うと風船の姿はぼやけ、次の瞬間、耳の長い白いフェレットを思わせる小動物の姿に変化した。

「やぁ京子。僕と契約して魔法少女になっ…ムギュッ!?」
 
 顔面をわしづかみされ、言わんとした科白が途中で途絶えた。

「ごめん、秋芳君。あたしその妖獣、大ッ嫌いなの」
「そ、そうか……。ならば――」
 
 再度変化すると、今度はカラスの姿になった。

「どうだ? いかにも魔女の使い魔って感じだろ?」
「レイヴン、ね……。ま、陰陽師らしくもあるし、良いんじゃない。でも足は三本じゃないのね」
「それだと、ちょっとあからさまだしな」
 
 大和葛城を本拠とする賀茂氏は建角身命(たけつのみのみこと)。すなわち八咫烏を祖とする一族とされる。
 そして八咫烏とは足が三本ある霊烏なの
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