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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 1
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らうわ」
言葉使いこそ普通だが、京子の声には『こわい』気が込められていた。
(いいか、京子。相手を脅すのに大声をあげたり物騒な言葉を使う必要なんてないんだ。無遠慮になるだけでいい。無遠慮ってのは相手に気を使わない話し方のことで、相手のことを本当に考えなくなると自然に殺し合い同然の威圧が声にこもる。それだけでじゅうぶん恫喝になるんだ)
乙種呪術のやり取りについて秋芳と話していた時にそのように言われたのを思い出し、それを実行してみたのだ。
効果はあった。カボチャ頭はたじろぎ、光輝は身震いして小声で『まあーああぁ』とうなる。
相手に責任転嫁しようとする破落戸の愚劣な詭弁は京子の剛毅さによってあっけなく粉砕されてしまった。他人の悪辣さや卑劣さを自分の罪として背負いこむ必要なぞないのだ。悪党の犯した罪は悪党自身がつぐなうべきである。
「くそっ、後悔するなよ。ケガ人が出た後で悔やんでも遅いぞ」
気圧されたカボチャ男のかわりにピエロが前に進み出た。手には黒い棒が握られている。サップ。あるいはブラックジャックと呼ばれる、革袋の中に砂を詰めた殴打用の凶器だ。
「なんだなんだ、新しいアトラクションかショーか?」
「それにしちゃ洗練されてないな」
「でもすごい迫力。本当に殴ってるみたい!」
群衆の間からそんな声が上がり、やがてそれは驚きの歓声へと変わった。
京子が二体の護法式を召喚したからだ。
白桜に投げ飛ばされてカボチャ頭が空を飛び、物見高い観衆たちの頭上を飛び越えて十メートルほど離れたゴミ箱に頭から突っ込む。
続いてピエロも黒楓に投げ飛ばされ、盛大な水しぶきをあげて噴水の中に落とされる。
「――オン・バヤベイ ・ソワカ!」
風天の力で巻き起こったつむじ風に巻かれた海賊は回転木馬の屋根まで飛ばさた。
「まあーああぁ、まあああーあぁ!?」
呪術混じりの乱闘を目のあたりにした光輝がショックで白目をむいて倒れる。
白桜の太刀にナイフを叩き落とされ、黒楓の薙刀に足を払われたスクリームマスクは派手に転倒した。
「おさわがせしました。今宵シンデレラの魔法が解けるまで、どうぞみなさん、お楽しみください」
京子は群衆にむかってスカートのすそをつまみ上げて、うやうやしくも優雅な一礼をすると、白桜と黒楓にスクリームマスクと光輝をかつがせ、その場を颯爽と後にした。
一日約七万人のゲストがおとずれ、一度に最大で十万人までは入場できるといわれるエターナルランドだが、現在のゲストは龍鳳院宮寺グループの関係者七千人しかいない。キャストを合わせても一万人程度だろう。
人影のない場所もそこかしこに出てくる。大通りを離れた雑木林じみた緑の中、スクリームマスクを地面に放り投げた。
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