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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 1
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Pの人たちを呼んで、今日はもうお開きにしたら……」
「シンデレラ・マジックは始まったばかりだというのに、それはないよ京子。今度こそぼくの華麗な技で悪漢どもを追い払ってみせるから、安心していたまえ」
「はぁ、そうですか」
片手がフックのような義手になったつけ髭の海賊や、ハロウィンらしく巨大なカボチャ頭をつけた者、ピエロの扮装をしたりスクリームマスクをかぶった連中が二人のいるベンチの周りを囲んで輪を作っている。
「来ましたよ、こいつらです」
「う、うむ。京子、君はさがっていてくれたまえ」
さがれと言われてもさがる場所はない。不穏な空気をただよわせた仮装集団は、いよいよその包囲の輪をちぢめてくる。
「龍鳳院宮寺光輝とそのボディガードだな。先ほどは仲間が世話になったようだ、ちょいと用があるからついて来てもらおうか」
「君たちの相手をしているヒマはない。とっとと帰りたまえ! さもないと柔道初段、ゴセロ四段、木工ボンド道五段。合せて十段のツワモノであるぼくの拳が振るわれることになるぞ!」
「そうかいそうかい。だが、ここには数えきれないほどの入園客がいるんだぜ。なんの罪もない老若男女を巻き込んだりしたら、おたくらの良心は痛まないのかい?」
「ぐぬぬ、卑怯な……」
「さぁ、とっととついて来い」
「と、とりあえず彼らについて行こうか、京子? 無関係の人たちを巻き込むのはよくないよね? ね? ね?」
「ははは、そう思うのが普通だろうよ。さぁ、とっとと一緒に――」
「あいにくとぜんぜん、これっぽっちも思わないわね」
「なに?」
「きょきょきょ、キョっ、京子っ!?」
「巻き込むのはあなたたちであってあたしたちじゃないわ。暴虐で卑劣で恥知らずなのはあなたたちであって、断じてあたしたちじゃない。何千何万人が巻き込まれようが、それはすべてあなたたちの責任であってあたしたちの知ったことじゃないわ。さ、龍鳳院宮寺さん、行きましょう。あたしチュロスが食べたくなっちゃった」
言い終えると輪の中央を突っ切って歩み始める京子。
もちろんこれは心優しい京子の本心などではない。ここで狼狽するそぶりを見せれば、それが効果的とわかり逆に無関係の人々が巻き込まれる可能性が高くなる。
だからこそバッサリと切り捨てるような、ブラフをかましたのだ。
「ま、待て!」
狼狽したふうのカボチャ頭の声が響く。
「ここにいる一万人近い人がどうなってもいいのか?」
「ご自分にお聞きなさいよ。あたしが答えてあげる筋合いはないわ」
言い放ってから京子は短剣に毒を塗る魔女のような笑みを浮かべた。
「もっともここで迷惑行為におよぼうとしたら、その前にあんたたちを再起不能にしてやるけどね。なにをしようと勝手だけど、責任だけはとっても
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