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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 1
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 その六人の破落戸だが、ことを表沙汰にするのはエターナルランドにとって良くないだろうと、龍鳳院宮寺のSPを通じて呪捜部に引き渡しされることにした。
 そう、警察ではなく呪捜部だ。彼らの一人は呪術を行使した。それも禁呪指定されている呪詛を使った。重い罰が下されることだろう。
 だれかに恨まれ、狙われる心あたりはありますか? などという野暮な質疑応答はしない。大企業の御曹司ともなれば、なにもしなくてもやっかまれるだろうし、身代金目あての誘拐だってある。
 京子はなにげなく周囲を見まわした。
 ハロウィンの仮装をしているゲストに混ざって、アヒルやネズミをモチーフにしたエターナルランドのキャラクターたちの着ぐるみ姿も目立つ。

(こうしてあらためて見ると、なんていうか、むこうの人のセンスって特殊よね)

 動物の擬人化、あるいは逆に人間の擬動物化はエターナルランドに代表されるアメリカ文化の気持ちの悪い一面だ。動物に服を着せて後肢だけで立たせて喜ぶという心理は理解できない。キャラクターとしてデフォルメされてはいるが、それもセンスが良いとはいえない。人間と動物、双方の醜悪なカリカチュアのようだ。

(なんでかしら? コンちゃんみたいなのはかわいいのに)

 それにくらべたら日本生まれの動物キャラクターたちのなんとkawaiiことだろう。目からビームを出す猫娘を見よ、黄色い電気ネズミを見よ、青い猫型ロボットを見よ。みんなみんなかわいい。萌えるではないか。
 動物どころか器物にまで魂が宿り、人も自然の一部。ある意味ですべて平等の存在と考えるアニミズム文化の民族と、そうでない民族との想像力の差異がキャラクターデザインに現れているのかもしれない。
 人間の繁栄のために動物や植物を利用することは神から与えられた正当な権利であり、動植物にとっては人間の役に立つことが神から与えられた役目。
 などという考えのもと、生き物を殺して食べるさい、その生き物にではなく神様に感謝して食事をする人種の考えることはわからない。
 戦勝国であるアメリカは日本の呪術を徹底的に研究し、その技術を我がものにしようとしたらしいが、結局彼らの中に日本の陰陽師のような″b種呪術をあつかえる者は出てこなかったそうだ。
 呪術を使えるかどうかの才能には、魂の奥底に流れる思想や宗教観のちがいも関与していたりもするのだろうか……。
 などということをボンヤリと考え、隣にいる龍鳳院宮寺の話も馬耳東風だった京子だったが、周囲の気配の変化に気づいて、ふとわれに返る。
 首筋のあたりがちくちくする。悪意や害意といった負の想念が周りの群衆の中からこちらにむけて放たれている。
 京子の霊感がそう告げていた。

「龍鳳院宮寺さん、また狙われてますよ」
「な、なんだって!?」
「S
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