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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross over〜
Destruction;崩壊
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ともに、押し当てるようにその断面を――――そこから滑るように剣の平を相手の胸板に押し付ける。
「おおおぉぉっッ!!」
ゴドン!!と。
鈍い音とともに、小さな矮躯が引き倒される。
―――押し倒した……だけ、か?だけどそれだけじゃ………………あ。
そこに至って、ようやくニコは黒雪姫の一連の狙いが、そして対戦相手の少年の持つ弱点に気付いた。
そしてそれは、胸板に押し付けた右腕剣を中心に、小さな体躯を地面に縫い留める漆黒のアバターから告げられた。
「……やはりな。そんなところだと思ったぞ」
抵抗する少年をギリギリと押し込みながら、黒雪姫は怜悧な言葉を紡ぐ。
「たとえ超人的な反応を持とうとも、たとえ反則級の機動力を持っていたとしても、貴様は決して万能な訳ではない。長所ばかりを目立たせて、短所に目線を持っていこうとさせていないだけだ」
持ち上がらない。
抵抗できない。
あれだけ超絶な脅威を感じさせた存在が、重量アバターでもない、どちらかといえば細見なF型アバターに完全に抑え込まれている。
その光景は、思わずニコを固まらせるに十分な衝撃を与えた。
「なぁ、レンホウとやら。貴様の心意技で焦っていたとはいえ、かなり杜撰な対応だったな、私達は。まったく、何が王だ。こんな体たらくではハルユキ君にもがっかりされてしまう。……貴様が、私達が誰だか把握して対戦を申し込んできたとはあまり思えないが、それでも失望したかもしれないな」
すまない、と静かな声で黒雪姫は素直に口にした。
「《完全に万能なアバターなど存在しえない》。ゲームとして当然の原則なのにな。お前の機動力特化のステータスを見て、最初に看破すべきだった。……貴様には《力》がない。いや、ゲーム的に言えば《筋力値》と言ったところか。実際、今私が抑え込んでいられるのもその証左だ。貴様がヒット&アウェイを取るのも、捕まったら
振り解けない
(
終わりだ
)
からか?」
ギシギシと傷ついた右腕の刀身が、かけられる圧力に悲鳴を上げる。だが音すら無視して、黒雪姫はさらに言い募る。
「そしてその体躯から分かる通り、力技のハンデを覆すほどの《重さ》もお前にはない。……圧倒的な機動力を手に入れるための全ての要素が、そのまま貴様の弱点になりうる!」
レイン!と圧縮した音声が上がる。
それに大きく頷き返し、ニコはピースメーカーを構えながら小走りに駆け寄っていく。
確かに組み伏せたことで、敵の最大の
手札
(
カード
)
である敏捷力と反応速度は潰せた。しかし、それだけではない。最初に梅郷中の校舎を丸ごと呑み込んだ、あの第二段階心意技を発動されれば、密着する黒雪姫はなすすべもなく喰われるだろう。そうなれば、ニコ単騎で盤面を再びひっくり返すことはほぼ
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