暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross over〜
Destruction;崩壊
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地面。
タイルを割り砕くように床に潜り込んだ弾は、すぐに
不壊属性
(
イモータル
)
であるマップ基部にブチ当たり――――そこで起爆した。
思わず立っていられなくなるほどの揺れが、足元から襲う。
探索系RPGのゲームでは稀にある、地揺れエフェクトの再現。思わず立っていられなくなるほどの直下型地震は、
転倒
(
タンブル
)
までの高望みはしなくとも、二本足で直立していたなら相当効くはずだ。
しかし、この揺れを直立歩行形態にも関わらず、まったく無効である者が一人だけいる。
「せぇあああああ!!」
漆黒の槍が奔る。
そう。ブラック・ロータスのホバー移動は、常時地面から数センチ浮いている状態なのでこういった地形効果は効果がないのだ。
思わず止まる――――否、止まらざるをえなかった相手に向け、疾駆するロータスは深紅に輝く右腕の致死の剣先を突き出す。
一点突破の攻撃拡張の心意技。
―――だが、それじゃあこれまでと一緒だぞロータス……!不意や虚を突いても、猫だまし程度ですぐにあの超反応で回避される!一人で突っ込んでも無駄足だぞ……ッ!!
少年は確かにこの対戦中、左腕を部位欠損するという大ダメージを負った。だがそれは、王二人がかりで回避経路を潰したからだ。一人だけでの突貫など、あの相手にとって一番相手しやすいだろう。
事実、猛烈な
突進
(
チャージ
)
をかけてくるロータスに、どこかつまらなそうに顔を歪めた少年は、向かってくる漆黒のアバターに対して緩やかといえる速度で身体を動かし始めた。この揺れの中では転倒の可能性が高いと踏んで、その場での即応体勢に入るつもりだ。
「ッロータス!!」
思わず出た声に反応するように、漆黒が沈み込む。
もともと取っていた前傾姿勢を更に深くする。端から見れば、全てを賭した右腕を突き刺す予備動作に見えたろう。対戦相手もそれを察し、右の剣先に意識を集中させる。
だが違った。
ギリギリまで引き絞られた切っ先が撃発する寸前、その刀身を覆っていた過剰光が掻き消えた。
「なっ……!?」
「メ??」
二人同時の声が上がる。
少年も驚きの表情を浮かべているところを見ると、外部接触でクラッシュしたのではない。黒雪姫本人が自ら練り上げた心意を中断したのだ。それによって凄絶な威力を放ったであろう絶大な心意技は過剰光を放つのみに終わった。
無論、事故の類ではない。純色の七王の一角、黒の王たる彼女がそんな愚を犯すはずがない。
「シッ!」
擦過音のような鋭い呼気を発しながら、漆黒の肢体は驚きに固まる相手を置いてけぼりにして唸る。
紅衣の胸元に押し付けられたのは、爆散した右腕。痛々しい断面にはもう絶対切断属性は働いていないにもかかわらず、黒雪姫は気勢と
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