第65話『青年と老人』
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
答は無し…か。それなら、お前らに構ってやる時間はねぇ! 魔術部、出陣だ!」
「「はいっ!」」
終夜の掛け声と共に、晴登、結月、伸太郎、緋翼は動いた。各々が戦闘態勢をとる。
「おっと、二年生は下がっていろ。俺らが守ってやる」
「「は、はい!」」
「よし。・・・数はざっと20体。蹴散らすぞ!」
戦闘においては無力な二年生を下げ、晴登達は前線へと踏み出た。
そういえば、魔術部での共闘はこれが初めてになる。晴登は内心ワクワクしていた。
「鎌鼬っ!」ビシュ
『ウゥッ…!』ズシャア
いつぞやの技で1体を倒す。しかし、ゴーレムと名付けられるだけあって、かなりの硬度だ。両断には至らない。
「はぁっ!」ブン
『ウゥッ』ガキン
「ちょっと、コイツってホントに砂!?」
「おらぁっ!」ボワァ
『ウゥ…』
「全然効いてねぇ…!」
このゴーレム達は砂から生まれているようだが、表面はもはや岩同然。緋翼の刀は弾かれ、伸太郎の炎は意味を為さない。この二人は相性的に不利なようだ。
「弾けろっ!」バシュン
「貫けっ!」ヒュ
『『ウガァ…!』』ドゴン
一方で、終夜と結月は難なくゴーレムを一掃していく。やはり、戦闘力においては、この二人は他の追随を許さない。黒雷が、氷槍が、戦場を縦横無尽に飛び回る。
「──いや部長、超危ないです!」
「…あぁ、悪い悪い」
あまりの危険度に、姿勢を低くしている二年生。そんな彼らの忠告に対して、終夜は反応が薄かった。たぶん、既に配慮済みなのだろう。何だかんだ、終夜の黒雷は敵に一直線に向かっている。
「よし、俺も頑張らなきゃ──」
「危ないっ、ハルト!!」ドン
「え?……って、うわぁ!?」ズシャア
気を引き締めた途端、結月に押されて砂浜に突っ込む。何事かと思い振り返ると、巨大な拳を地面に振り下ろしているゴーレムの姿があった。無論、そこは今まで晴登が居た場所である。もし、結月が助けてくれなかったら・・・そう思うと、背筋が凍った。
『ウゥ…』
「マジで紙一重……ナイス結月」
「ハルト、怪我はない?」
「おかげさまで」
晴登は即座に立ち上がり、ゴーレムの次の行動に備える。これ以上、結月に迷惑は掛けられない。何というか、男として。
「──って、あれ?」
ゴーレムに備えるついでに、辺りを改めて見回してみると、晴登はおかしな事に気づく。戦闘開始から時間が経っているというのに、ゴーレムの数が一向に減っていない気がするのだ。むしろ、増えてる気さえする。
同じタイミングで、そのことに
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ