暁 〜小説投稿サイト〜
ヘタリア大帝国
169部分:TURN16 南京沖会戦その十一
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話

 二人はすぐにこう判断した。そしてだった。
 中国はこの危機にだ。国家として咄嗟に決断を下した。
「全軍重慶まで撤退ある!」
「撤退あるか!?」
「司令官が捕虜になった今どうしようもないある!」
 こう妹にも答える。今も日本帝国軍は小魚を出そうとしている。小魚を出せる艦隊は山本だけが持っているのではないのである。それでだった。
「どうしようもない状況になる前にある」
「今すぐにあるか」
「そうある、撤退ある」
 即座にだ。中国は決断を下したのだ。
「これ以上の戦闘は無駄に損害を増やすだけある」
「わかったある。それならある」
 中国妹も兄の言葉に応えて言う。
「殿軍は私が務めるあるよ」
「御前があるか?」
「兄さんはすぐに主力艦隊を率いて重慶に向かうある」
 日本帝国軍が迫る中でだ。彼等はやり取りをしていく。
「そうしてある。重慶で落ち合うよろし」
「御前は無事あるか?」
「私のことは心配無用ある」
 実は兄より強い妹だったりする。尚これは中国兄妹だけではない。何故か国家は基本的に兄より妹の方が強くしっかりしているのである。
 その中国妹がだ。こう言うのだった。
「無事に帰って来るあるよ」
「ではその言葉信じるある」
 兄は妹の確かな笑みを見てから頷いた。こうしてだった。
 司令部を失って混乱状況に陥ろうとしていた中帝国軍は中国兄妹の咄嗟の判断で重慶に撤退することになった。中国は即座に自軍をまとめて撤退した。そしてだった。
 中国妹は何とか後詰を務め全軍の壊滅を止めた。そのうえで彼女も重慶に逃げ延びた。こうして中帝国軍の撤退により南京星域での戦いは終わった。
 日本帝国軍は南京も占領することになった。陸軍は無事南京を占領した。中帝国はいよいよ重慶に追い詰められた。しかし戦争はまだ続いていた。


TURN16   完


                  2012・4・9


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ