第九部[DEATH NOTE物語]
外伝じゅうに[弟から見た兄]
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僕は客観的に見て優秀だと思う。
一度聞けば大概の事は理解できたし、
運動神経だってクラスで一番良かった。
テストでは100点以外取った事ないし。
不覚にも自分は選ばれた存在だと幼少期は思っていた。
僕の天狗の鼻が圧し折られたのは、
小学時代の事だった。
私の家族は両親に兄に僕、妹の五人家族なのだが、
妹と兄は普通の人間だった。
だからこそ私は特別だと思っていたのだが、
ある時に兄に意地悪でできる訳の無い問題を教えてもらいに行った。
そしたら意外な事に兄は教師が教えるよりも解りやすく、
要点を纏めて教えてくれた。
教えて貰った問題は高校生レベルの問題で、
小学生のテストで85点〜95点の間を取っている兄に解ける訳の無い問題だった。
後で調べてみたら合っていた。
それから兄の事を観察するようになった。
何時も楽しそうにニコニコしているのに、
ふと僕にはその顔が退屈しているように感じた。、
朝のジョギングに出ても、
僕が息絶え絶えになって居てもケロッとしてる。
兄が何を目的にしているか分からないが、
兄は手を抜いて生活をしていることが分かった。
ふと気になって学校の兄の評価を聞いて回ってみた。
教師A
「黒羽君・・・ああ、あのよく働く子だよね」
教師B
「あの、いつの間にかそこに居る子ね」
クラスメイトA
「ああ、あの目立たない」
クラスメイトB
「顔はイケメンなのになぜか目立たないよね」
恐ろしい事に気が付いた。
誰一人として兄には付き合いの深い相手がおらず、
顔の印象も覚えている人が居なかった。
写真を見せてようやく思い出すってどんなレベルだよ。
おそらく兄は僕より天才すぎて、
人生に退屈しているんだ。
それからは兄のライバルになって退屈な世界から救い出して上げようと、
いっそうと努力をして学業にもスポーツにも全力で取り組んだ。
勉強を教えてもらうと相変わらず解り易く教えてくれるが、
何時もニコニコしている為正直どうすれば兄に見てもらえるかと考えていた。
兄の高校受験で兄は兄のレベルから考えるとかなり格下の進学校を選んでいた。
なぜそこを選んだか聞いたら。
「近いから」
いや、確かに近いけども。
貴方はもっと上を狙えたでしょ。
私は兄の見ている景色が見たくて兄と同じ学校を受験した。
同じ学校に入学すると兄が、
「よし、私は月の壁になるね」
その言葉を話した後から兄はテストの点数が常に満点になった。
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