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ルヴァフォース・エトランゼ 魔術の国の異邦人
ロクでなしども、出会う
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せアルザーノ帝国魔術学院のある都市だからね。みすぼらしい道なんて恥ずかしくて造れないよ。すべての道はフェジテに通ず、さ」
「異世界ファンタジーだから、ちょっと道を歩いているだけで熊やサーベルキャットに襲われて骨折熱や知減病になったり、街中でもドラゴンや吸血鬼が平気で襲撃してくるかもと思ってヒヤヒヤしていました」
「アキヨシ、きみはたまに変なことを言うね」
「むこうでいくつか酒を買ってきたので、よかったらみなさんでどうぞ」
「おお、気が利くじゃないか。ナーブレス邸で働いていると良いワインが安く飲めるんだが、葡萄酒ばかりってのも飽きるからね。きみもいっしょに飲みなよ」

 屋敷や庭の規模にくらべると、使用人の数は少ない。これは魔法で呼び出したお手伝い妖精ブラウニーがほとんどの仕事をこなしているからだ。
極端な話、ブラウニーを使役できる魔法使い(この場合ウェンディ)がひとりいれば家事全般は彼らに一任してもいい。
 ただ公爵家であるナーブレス家には世間体や見栄というものがあるし、生身の人間にしか頼めないデリケートな仕事というのもある。
 そのためにある程度の人数の使用人を雇う。
 秋芳はそう多くない人数の使用人たちとはすっかり打ち解けていた。

「っかーッ! さすがオーガ殺し。効くぜぇ」
「無理せずにゴブリン殺しあたりにしとけよ」
「おいおい、あんなの酒のうちに入らないぜ」
 
 同僚の使用人たちが秋芳の手土産を飲んでは酒精の混ざった息を吐く。
 この国ではアルコール度数の高さを○○殺しと表現するのが流行っているらしい。
 アルコール度数ひとけたのものはコボルト殺し。
 一〇度以上はゴブリン殺し。
 ニ〇度以上はオーク殺し。
 三〇度以上はケンタウロス殺し。
 四〇度以上はオーガ殺し。
 五〇度以上はトロール殺し。
 六〇度以上はワイバーン殺し。
 七〇度以上はジャイアント殺し。
 八〇度以上はドラゴン殺しといったぐあいで、九〇度以上のものはドワーフ殺しという。
 この世界のドワーフも酒には滅法強いらしい。

「あまり強い酒を生のまま飲むと胃に穴が開きますよ。ライムやミント、トニックウォーターもあることだし、なんぞカクテルでも作りますか」
「カクテルってなんだい?」
「カクテルですよ、カクテル」

 ? ? ? ? ?

 みんなの頭にクエスチョンマークが浮かぶ。

「いや、カクテルというのは、えーと――ベースとなる酒に他の酒やジュース。果物とかを混ぜて作るアルコール飲料のことで」

 あたりまえのことを改めて説明するのはむずかしい。思わずウィキペディアのコピペみたいな説明になってしまった。

「せっかくの酒に混ぜ物をするなんてもったいない!」
「酒を薄めるなんて邪道だぜ」
「果物
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