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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
京子のお見合い
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たホラーランドといった具合だ。
 ちょうどホラーランドにさしかかると、ホーンティングハウスの前は人影もまばらだった。
 ホーンティングハウスというのは世界各国のエターナルランド内にあるライド型お化け屋敷のアトラクションで、混雑時には長蛇の列を作り二時間も待たされるという大人気のコーナーだ。
 それが今はすかすかに空いているのだ。
 借り切り時間にはまだ少し早いが、閉園時間が迫り一般のゲストが引けてきたのであろう。せっかくなので入ってみることにした。
 徐々に年老いていく肖像画といった怪奇趣味全開のプレショーを見て雰囲気を出したあと、三人乗りの黒い椅子型ライドで暗闇の回廊を巡る。オーディオアニマトロニクスによって複雑に動きまわるお化けたちの姿に、ゲストの間から悲鳴や笑い声が響き渡る。
 さすがに面白い。日本的なお化け屋敷とは異なる趣に一時的に退屈さを忘れ、人並みにそれらの仕掛けを楽しんでいた京子だが、すぐに異変を察知した。
 自分たちの乗るライドだけがコースをはずれているのだ。
 しばらく進み、うす暗い闇の中でかすかに揺れて急停止する。

「龍鳳院宮寺光輝だな。おとなしく降りるんだ」

 粗にして野にして卑でもある、そんな下品で脅しつける響きのある男の声がした。
 一、二、三……。半ダースほどの人影がうす闇の中にうごめいているのを、暗闇に慣れてきた京子の視力はしっかりと捉えた。
 もっとも肉眼で見る以前に見鬼でも正確に視ているのだが。

「龍鳳院宮寺さん、どうやらあなたに用があるみたいですよ」

 戸惑いの色もあらわに逡巡する光輝に京子が落ち着いてささやきかける。

「おい、さっさと降りろやボンボン! 女とのお楽しみの時間はおしまいなんだよ」
「無礼な! 下品な口の利きかたはやめたまえ!」
「ハッ! あいにくそちらとちがって育ちが悪うございましてね」

 いまだ腰を上げない光輝を数人の男たちがライドから強引に引きずりおろした。

「ええい、汚い手で触るのはよしたまえ! ぼくはこう見えても柔道初段、かるた四段、珠算五段。合わせて十段のツワモノなんだよ」
「おっと、銃が狙ってるぜ。暴れるんじゃない」
「フン! 見え透いたこけおどしを口にするのはやめたまえたまえっ!」
(たまえたまえ?)
「銃砲刀剣類所持等取締法のある日本で銃なんか易々と手に入るものか。柔道初段、ビリヤード四段、パンシェルジュ五段。合せて十段のツワモノであるぼくが本気に――」

 口上をさえぎって銃声が低くこだまし、光輝の足もとでコンクリートのかけらが跳ね散った、エアーコンプレッサーがついて頭でっかちになった改造エアガンの銃口が光輝にむけられる。

「さぁ、これでも動けるか? なんとか十段のツワモノお坊ちゃんよ」 
「まああぁーあ
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