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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
京子のお見合い
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それで売り上げが絶好調だから株式公開したら株主がどんどん増えちゃってさ――」
光輝は訊ねもしないのに自分の会社の業務成績やら、どこと取り引きをしているとか、連携がどんな利益をもたらすかという展棒などをべらべらと自慢げに話し、ときおり思い出したかのように。
「君は稀有な美少女で、その場にいるだけで注目を集めずにはいられない天性のアイドル、というよりもスターだよ!」
などと京子の容姿を褒め称えた。
京子は「へぇ、そうですか」「それはすごいですね」「ありがとうございます」と適当に相槌を打っていたが、彼の言葉は頭にはまったく入ってこなかった。
龍鳳院宮寺光輝という人は自分が興味のある話題はかならず他人も興味があると思うタイプの人のようで、ついつい語りたがる。
そういう意味では秋芳も似たような種類なのだが、少なくとも秋芳には空気を読んで相手の好きそうな話題を選ぶ器量がある。呪術以外にも、文化や芸術方面などで京子と共通する趣味を持っていて話もはずんだし、新たな発見も多かった。
作中すべての科白がミュージカル調の『シェルブールの雨傘』やスラップスティックの名作『地下鉄のザジ』に精巧なマペット劇『ダーククリスタル』……。
リバイバル上映やレンタルで観た、秋芳お薦めの映画。いずれも古い作品ながら今観てもじゅうぶん面白く、楽しい時を過ごせた。
(もうっ、陰陽師ならせめて少しは呪術の話くらいしなさいよ!)
たまりかねて京子のほうから「エターナルランドって乙種呪術に満ちた空間ですよね。現実的な経済効果や人々の意識に与える影響。それも乙種呪術だって自覚した場合でもその効果が継続するとか、陰陽師としてとても興味深いと思いませんか?」などと呪術の話題をふっても「いやぁ、ぼくは呪術のほうはちょっと……」という返事が返ってきたのみだった。
どうも呪術に関しては食指が動かない様子だ。
見鬼の才があるのは本当のようだが、どうもこの龍鳳院宮寺光輝という人物。きちんと実力で陰陽二種の資格を取ったのかどうか疑わしい。
(よくもまぁこれであたしと、倉橋家の長女とお見合いしようって気になったものね。あ〜あ、秋芳君と来たかったなぁ。彼ならどんなふうに答えるのかしら……)
アトラクションに触れずともエターナルランド内を歩くだけで楽しい気分になってくるのは確かだ。恋人である秋芳、あるいは天馬や夏目といった友人たちで遊びに来たのだったら、さぞかし楽しかっただろう。
東京エターナルランド。この広大なテーマパークはいくつかのエリアにわかれている。
おとぎ話や童話の世界をモチーフにしたメルヘンランド。アメリカ開拓時代の西部の町なみを再現したフロンティアランド。未来と科学技術が主題のサイエンンスファンタジーランド。怪奇と幻想をテーマにし
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