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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
京子のお見合い
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 とフランス語で称賛の声をあげた。

「bellissima!」

 続いてイタリア語でも称賛する。

(日本製なのはこの人の身体だけね)

 もとより零度まで冷えていた自身の感情が、さらに氷点下まで冷めてゆくのを自覚する京子だった。

「brilliant! 京子。君をダイヤにたとえるなら価格のつけられない『ザ・グレート・スター・オブ・アフリカ』や『ザ・インコンパラブル』や『ザ・ゴールデン・ジュビリー』だね」

 世界最大級のダイヤモンンドを三つも引き合いに出して京子の容貌を褒め称えたこの男性こそ龍鳳院宮寺光輝その人だった。





「な〜にがトレビアンだ、ベリッシマだ。日本人なら日本語を使え、日本語を!」
「ど、うしたんですか!? いきなり……」
「気にするな、ただの独り言だ。今日は独り言が多い日になるだろうから、そのつもりで」
「は、はぁ…」

 ここは陰陽塾男子寮の中庭。
 刀会がせまっている。
 そのため休日を利用し、秋芳が桃矢に禹歩や立禅にくわえて武術の稽古もつけているところだった。
 武術はもっとも実践的な呪術魔術の一つ。
 形意拳、八卦掌、太極拳。特に呪術と関連性の高い内家三拳のうちの一つ、形意拳を教えていた。
 後ろ足にやや体重を乗せた構えを基本とし、前方へ踏み込んで技を発した際に後ろ足を前足のかかと側に引きつけて歩を進める、禹歩とはまた異なる独特の歩法。
 桃矢は金行劈拳、水行鑚拳、木行崩拳、火行炮拳、土行横拳といった陰陽五行説にちなんだ初歩の套路(型)。その名も五行拳をくり返し練習していた。

「あの〜、秋芳先生。刀会では薙刀で試合するのに、なんで素手の型を練習するんですか?」
「純粋に薙刀を使う技術なら俺よりも桃矢、おまえのほうが上だ。巻き落としの型とか上手だったしな、俺が薙刀を教えることはできない。だから俺の知る無手の技を教える。武器という物は素手の延長だ。徒手空拳の技に慣れることは薙刀術の上昇にもつながる」
「う〜ん、そういうものでしょうか……」
「そういうものさ」





「実はね京子、今日はぼくの龍鳳院宮寺グループがシンデレラ・マジックを使ってエターナルランドを借り切ることになっているんだ」

 通称シンデレラ・マジック。正式名称はマジカル・シンデレラ・パーティー。
 閉園後の午後八時から十二時までの四時間、エターナルランド全体を貸し切りにできる特別なプログラム。名称の由来はもちろんシンデレラにかけられた魔法が深夜十二時に解けてしまうことからきている。
 利用条件は七千名以上の団体であること、閉園時間が二十時以前の通常営業であること、午後二時以降に来園であること――。
 本来は企業や団体などを対象としたプログラムで、記念行事
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