第2話
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あ・・・うん、あのさ、何か悲しいことでもあった?」
僕のその言葉に女の子は体をビクリと震わせて顔をうつむかせる。
そして、ポツリポツリと話し始めた。
話の内容は、お父さんが仕事で大怪我をして入院したままのこと、お母さんは経営しているお店を切り盛りするため朝早くから夜遅くまで働き、年の離れたお兄さんとお姉さんは学校のあとはお店を手伝うので家に何時もひとりぼっちになること。
いつも寂しくなるとこの公園にきてブランコに座っているということだった。
僕はその話を聞いて、知らず知らずのうちに彼女の頭を優しく撫でていた。
「えらいね、なのはちゃんは・・・僕だったらきっとお母さんやお兄ちゃんにわがまま言うと思う」
「・・・わがまま言ったら、迷惑だとおもって」
「なのはちゃんは、お母さんたちが大切なんだね。でも、同じようにお母さんたちもなのはちゃんのこと大切だと思ってるはずだから、いい子でいるのもいいけど、たまにはわがまま言ってあげたほうがいいと思うよ?そのほうが親っていうのは喜ぶらしいしね。アルおじさん、あ、僕の知り合いのおじさんなんだけど、その人もそう言ってたから」
そう言うと、なのはちゃんは少し迷ったような表情を見せるが、一度頷いたあと、
「うん、言ってみる。一緒にいてって、ご飯一緒に食べたいって」
「うん、頑張って!」
そう言うと、僕は彼女に右手を差し出す。
「僕は村埜涼、あっちは弟の村埜龍斗。僕たちはよくこの公園で遊んでるから、寂しくなったら一緒に遊ぼ。」
「うん、遊ぼう」
僕に続いてリュートが同じく声を出す。
「うん。私、なのは。高町なのは」
彼女は改めて自己紹介をしたあと、僕たちの手をそれぞれ握り返し、公園を出て行った。
「じゃあ、僕たちも帰ろうか。リュート」
「うん、お兄ちゃん」
リュートの手を引いて公園を後にした。
僕たちはこの出会いが偶然ではなく、必然だったということを何年も先に知ることとなる。
その日の夜、夕御飯の時にお母さんが働き始めた喫茶店の経営が大変で夜遅くなることがあると切り出した。
家はお父さんの仕事が泊まり勤務で仕事の次の日は休みとなっているのでお父さんが休みの日にお母さんがシフトを入れているので子育てには問題がないらしいとはお父さんの談
そんな話があった夕食のあと、僕は日課となっているアルおじさんに電話をしていた。
「でね、今日なのはちゃんって女の子と友達になったんだ。」
「ほ〜う、それで、その子に惚れたってか?」
「ち、違うよ。そんなんじゃないけど。でもなんだかほおっておけない子だったんだよ。」
「ま、そういうのから惚れた好いたとか始まるんだが・・・で、そういや、
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