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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 3
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無から有というわけではないのだが、それでもすさまじきものである。

「さっきだれかが指摘していたが、実体化した式神と同様に呪術によって生じた物質というものは現実的には曖昧な状態なんだ。五行術で呼び出した木や火や土、金属や水なんかみんなそうだな。水行術の場合は『呪力が一時的に現実の水と同じ形状・性質になっているだけ』で時間が経過すると消滅する。そうしなくするためには通常の術式に手をくわえ、より多くの呪力を消費することで限りなく現実の物質に近づけることができる。この水はそのようにして作られた水だから、泳いでるさいちゅうに消えたりはしない。どのくらい現実の水に近いかと言うと――」
「「「…………」」」
「――ま、こまかい話は授業でしよう。さぁ、これで準備はととのった。あとはみんな水着に着替えて自由に」
「「「は〜い♪」」」 
そして今回のお話の冒頭のシーンへとつながる。





 笑狸の幻術によって生み出された青い空に白い雲。燦々と輝く太陽に紺碧の水面。押しては引く波の音に、ただよう潮の香り。
 視覚のみならず聴覚、嗅覚にも幻術の効果はあらわれている。
 大海原に広いビーチが広がっているように見えるが、実際は室内にあるプールだ。そのため壁などの障害物に衝突しないよう、念のため緩衝用の結界も張られている。
 紺色のスクール水着を着た朱音が、赤いホルターネックビキニの紅葉が、白のワンピースの眞白が、黒の競泳水着の白亜が、バンドゥビキニの珊瑚が、、タンキニ水着の琥珀が――。多種多様、色とりどりのスイムウェアを着た乙女たちが若く美しい肢体をさらして自由奔放に戯れていた。

「ねぇ、秋芳君。どの娘が好みなの?」
「京子」
「そうじゃなくて、あの中じゃあだれが一番好きなの?」
「あの中でもどの中でも京子が一番好きだって」
「んも〜、うふふっ。正直者なんだからぁ」
「……あのさー、二人とものろけてないで泳いできたら? せっかくのプールなんだし」
「賀茂先生たちも入りなよ、気持ち良いよー」
『ギップリャ』と叫びたくなるのを、ぐっとこらえた表情で笑狸がそう口にすると、それに合わせたかのようなタイミングで巫女たちもプールにいざなってきた。
「そうだな、水にはいるのも久しぶりだし泳いでみるか。京子、俺は脱いだらすごいんだぞ。もう首から下は『Free!』のキャラみたいだからな。松岡江がうっとりするくらいの筋肉だぞ。うなるような嵐の上腕筋、燃えるような炎の後背筋、しなやかな疾風の大腿筋、叫びをあげる雷の三角筋……」
「うん、見たことあるから知ってる。……て、なに言わすのよ、もう。変な意味にとられちゃうじゃない」
「あー、はいはい。お二人さん仲が良いのはわかったから、仲良く競泳でもしてきたらどう?」
「あら、いいわね。秋芳君、どっちが
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