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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 3
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ワカッタ、デハオ主ノ式ニナロウ」
「かんちがいするな、使役するのはこいつだ」
「え? なに言ってるんです、僕に使役式を持てるだけの霊力なんてありませんよ」
「今は無理でも修行して身につければいい。今日のところは仮契約だ」
「そんなことしなくても、秋芳先生が式にすれば……」
「俺は笑狸以外の式神は持たない」
「そんな〜」
「こいつを修祓せず助けたいと言ったのはおまえだろ、最後まで責任をもって面倒を見るんだ」
「コノサイ修祓サレヌノナラバドチラノ式デモカマワヌ」
「念のため確認するが、今までも婦女子を手籠めにしたことはあったか?」
「ナイ。ソノヨウナコトハ断ジテナイ」
「では今後もそのような狼藉を働くこと、これを禁ずる。破った場合はたちどころに落命すると思え」

 秋芳の言葉には呪がこめられていた。呪術師相手に言葉で交わした約束を違えればどうなるか、説明するまでもない。
 その他にも桃矢を交えてちょっとした儀式のようなことをして、式神契約(仮)は無事終了した。

「儂ハ赤舌。イツノ日カヨロシク……」





 ちょぽんっ
 軽快な水音をあげて桃矢の身体がうつし世に現れる。と同時に異臭をまき散らしていた瘴気の塊。霊災がかき消えた。

「あ、戻ってきたよ!」
「桃矢さん!」
「無事か!?」
「まったく世話かけて……」

 緋組拾参番隊と白組壱番隊。紅白の巫女たちが桃矢の身を案じて駆け寄り、無事をたしかめた。

「みんな心配かけてごめん。秋芳先生に助けてもらったから、僕は平気だよ」
「そ、そうだ。賀茂先生すみませんでした。私たちだけで修祓しようとして、こんなことになってしまって……」

 一同を代表するかのように紅葉が頭を下げる。

「……陰陽法第二十四条。霊災を発見した者は遅滞なくこれを陰陽庁祓魔局。または市町村長の指定した場所に通報しなければならない。またすべての人は前項の通報が最も迅速に到達するように協力しなければならない。通報義務に違反した場合、同法第四十四条にしたがって、三十万円以下の罰金。または拘留に処せられる……。と堅苦しい弁はさておき、みんなはまだ正式な巫女でも陰陽師でもないのだから、無茶、無理なことはしないように」

 さんざんもぐりで霊災修祓してきた自分が他人に法を説くとはね――。秋芳は内心で苦笑しつつ、そう教え子たちに諭した。

「とにかくこれで霊災は消えた。清掃のほうも終わってるか?」
「はい、終了しました」
「なら案件も無事完了だな。みんな憑かれたろう、もう帰ってもいいぞ」
「あのう、そのことなんですけど……」
「却下」
「まだなにも言っていませんわ!?」
「三亥珊瑚くん、君の格好を見ればわかる。もののついでにここで水遊びしたいとか言うんだろう?」
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