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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 3
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の境遇について説明した。

「――そういうわけで、一方的に修祓するのはちょっとかわいそうな気がするんです。なんとかなりませんか?」
「そうか『大アマゾンの半魚人』みたいなやつだったのか。それはかわいそうだなぁ。まぁ、見たところ霊的に安定しているし、瘴気ダダ漏れって感じでもないし、折伏できるのならそれにこしたことはないな。よし、ちょっと話してみよう」
「はい」

 桃矢は禹歩を止め、赤舌にむかい合った。

「オオ、ソコニイタカ」
「赤舌さん。あなたがさびしいのはわかりました。でもこんなやりかたは良くないです」
「ナニガ良クナイ?」
「強引にさらって、相手の意思を無視して、その……、え、エッチなことをするのは良くないです、ダメです」
「エッチナコト。トハ、ナンノコトダ」
「それは、そのぅ、ええと……」
「婦女子をかどわかし、手籠めにするなと言っている」
「あの、僕は婦女子じゃないんですけど……」
「グヌヌ……」

 冴え冴えとした霊気を放つ折り鶴からの言葉に赤舌が目に見えてたじろぐ。

「オマエハ陰陽師ノ式神カ……?」
「そうだ、陰陽師だ。未成年者略取と強制猥褻の現行犯で修祓する。と言いたいところだが、なにやら事情がありそうなので、ゆるしてやらなくもない。おとなしく式になれ」
「……ソノヨウナコトヲ言ッテ、式ニ降ロシタ後サンザンニ、コキ使ウ気デハナイダロウナ?」
「しないしない、ちゃんと労働法は守る。十日間飲まず食わずでこき使ったうえ駄賃を踏み倒したり、たぶらかして馬糞を食わせたり、風呂といつわり肥溜めに入れたり、肉をそぎ酒菜にしたりとか、そういうのはしない」
「なんでそんなに具体例がすらすら出てくるんですか!?」
「なに、昔そういう陰陽師がいたんだよ」
「イヤダ、働キタクナイ。儂ハココデ嫁と二人。静カニ暮ラシタイ」
「働きもせず引きこもってダラダラと暮らしてるだけで嫁がもらえると思うなよ。外に出ればそのぶん出会いがあるし、良い働きをして社会に認められれば、女のほうから嫁にしてくれと言ってくるぞ」
「ソウイウモノカ?」
「そういうものだ」
「ウウム……」
「さらに召喚されて働いている間は給料も出してやろう。人間界で過ごすにはなにかと入用だしな」
「人界ニモ金銭ニモアマリ興味ハナイノダガ……」
「今の世を直に見て周ったこともあるのか? こういう自然だってまだ残っているうえ、映画やゲームといった娯楽だってあふれている。楽しいぞ。そして人海で楽しむにはそれなりに先立つものが必要だ」

 実際都内にはおよそ二百九十五ヘクタールの水田が存在し、七十五の農業用水路も流れている。世田谷の等々力渓谷など、都心にありながらまるで別世界のような自然にあふれ、今でも修験者が修行におとずれているという。

「……
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