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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 3
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位神。八将神のうち太歳神に仕える赤舌神(しゃくぜつしん)が妖怪に零落した姿。赤舌だ」
「あ、そんな妖怪いましたね」
「赤舌の赤は(あか)。船底にたまる水を意味し、舌は下心。心の内にひそむ邪な感情を意味する。ことわざの『舌は禍の根』にも通じることから、赤舌とは災いをあらわす、一種の凶神だといわれる」
「へぇー」
「この田園世界はこいつの作った隠れ里だな。場所が場所だし、汚れたプールはうつし世との『門』にしやすかったんだろう」

 たまった水に下心。たしかにここはそのような要素のある場所といえる。

「ところで秋芳先生、ですよね? その姿は……」
「俺の簡易式だ。様子を見に来たらみんな霊災を囲んで途方に暮れてて、聞けばおまえがさらわれたって言うじゃないか。だからこうして探りに入ったんだ」
「あ、これも簡易式……」

 桃矢の中で簡易式といえば、先ほどのお掃除合戦でみんなが使ったような人形のものしか思い浮かばなかったので、折り鶴の形は意外だった。

「正確には簡易人造式。汎式における式神使役術の基本中の基本だな。一般の人造式よりも安易かつ迅速に作成できて、カスタマイズしやすい自由度の高さがメリットな一方、術者の呪力のみで動くため長時間の活動にはむかないというデメリットがある。それでも使い手の発想や力量次第で様々な用途に使用できる便利な式だ」
「そういえば授業で習ったような気がします」
「まぁ、巫女クラスじゃ式神について陰陽師クラスほど専門的に教えてないようだからな。失念するのも無理はない。ところで――」
「はい、なんですか?」
「あの赤舌だ、人をさらって触手プレイするようなエロ妖怪を放置するわけにもいかないし、修祓するか」
「しょしょしょっ、触手プレイってそんな!? そ、そうみたいでしたけど……」

 さっきの感触を思い出し、桃矢の白い顔が羞恥に朱く染まる。

「言っておくがおまえを見つけて、すぐに助けに入ったからな。アニメ『ドルアーガの塔』のファティナのあれのシーンみたく、しばらく放置しようとか思わなかったぞ」
「あ、あたりまえですよ! あんなふうに傍観するような人は最低です!」
「だけどおまえもちょっとゆるすぎだぞ。押し倒されてすぐに『あぁんらめぇぇぇ』てなるような安いやられキャラよりも『くっそテメェあとでぶっ殺す……っ!!』て、デレも蕩けもせず。ムードもなく、最後までずっと悪態ついてるようなやられキャラのほうが絶対受けるって」
「いったいなんの話ですか!? わけがわかりませんよ!」
「まぁ、とにかくこいつを祓おう。俺がやれば簡単だが、せっかくだし外に引きずり出して他の巫女たちみんなで修祓するか。そのほうが勉強になる」
「あの、そのことなんですけど……」
「うん?」

 桃矢はこの怪物――赤舌――
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