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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 3
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っ、ちょ、やめ……。くっ、くすぐったい! て、あ、あ、ああ、アアッ!?」

 感じる。

「や、やめてっ! アアッ! い、いやっ! いやぁ〜!」

 桃矢は全力で身をよじるが、触手の動きは止まらず、全身をくまなく撫でまわされる。
 桃矢の身体に本格的な快感が走る。

「はぁはぁはぁ……、だ、だめ……。そんなにしたら……。あ、あうっ!?」

 乱暴ではあるが、痛くないよう傷つけぬように肌を這い回る触手の感触はひたすら優しく、情愛がこめられていた。

「ん、んんん……。ンッ、くっ、うふぅ……ん、んんっ、ら、らめぇぇぇ〜!」

 あまりの気持ち良さに口から男とは思えないほどの色っぽい喘ぎ声が漏れ始める。
それに反応してか、お尻を撫でていた触手の動きが激しさを増し、不穏な動きを見せ始めた。

 その動きに消えかけていた桃矢の理性が悲鳴をあげた。
(こ、このままだと女の子にされちゃう!? そんなのはいやだっ!)

 必死になって抵抗する。

「やだやだやだ! こんな始めて絶対にやだ! いやだーッ!」

 桃矢のその思いが天に通じたのか、一条の光が奔り触手を切断した。

「グギャッ!?」

 切断面から体液をまき散らす代わりに激しいラグが生じ、怪物は苦痛の叫びをあげてのたうちまわる。
 触手を断ち斬った光の正体は鋭利な霊気につつまれた一羽の折り鶴だった。それは桃矢の肩に止まると「桃矢、禹歩」と、秋芳の声を発した。

「え?」
「禹歩、穏形、身固め。早く!」
「あわわわ、はい!」

 千鳥足のようなおぼつかない足どりで、それでもしっかりと禹歩を踏み、呪を完成させる桃矢。
 桃矢は兵馬刀槍といった物理的な攻撃を避ける禹歩の他に、あやかしから隠れる類の禹歩もついでに教えてもらっていた。
 きのうの今日ならぬ、さっきの今だ。そのやり方はしっかりと記憶している。

「グヌヌ、ドコヘ消エタ?」

 怪物の目から遁れることに成功したようだ。昨夜の餓鬼のように目の前にいるにもかかわらず、こちらの姿を見失い、触手を使いあたりを探し回るが、触れる直前になぜか向こうのほうから避けてしまう。
 あの安倍晴明の幼い頃。師である賀茂忠行の供をしていた時、百鬼夜行に遭遇したことがある。晴明は急いで寝ていた忠行を起こして知らせて、忠行が素早く身を隠す術を使ったため百鬼夜行から無事に逃れることができた。というお話が『今昔物語』の中にある。
 一説にはこの時に忠行がもちいた術こそ、隠形の反閇だと言われる。
 桃矢はそれを使ったのだ。

「もとは方位神の眷属だけあって、この手の術が良く効く」
「……こ、こいつって神様なんですか?」
「神様っちゃあ神様だが……、そんなありがたい存在じゃない。陰陽道における八柱の方
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