ペルソナ3
1882話
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ゆかりとラーメンを食べに行った日の夜……影時間に、俺はゆかりと荒垣の2人と共に15階でシャドウ狩りをしながら宝箱を探すという恒例行事を行っていた。
「イオ、ガル!」
ゆかりの命令に従い、イオが放った風の刃……ガルが、トランスツインズの動きを止め……次の瞬間、ゆかりの放った矢が、数本2匹分の身体に突き刺さり、やがて消えていく。
「あ」
そうして消えていったトランスツインズを見ていると、ふとゆかりが声を上げる。
「どうしたんだ?」
「アクセル、どうやらイオが新しいスキルを覚えたみたいなんだけど……」
どこか口籠もるその様子に、首を傾げる。
イオが新しいスキルを覚えたという事は、恐らくシャドウを倒してレベルアップしたという事だろう。
以前であれば、俺は他人のステータスを見るという能力を持っていた。
だが、色々とあって、今の俺が見る事が出来るのは、あくまでも自分のステータスだけだ。
つまり、ゆかりが……そしてペルソナがレベルアップしても、俺にはそれを知る術は、本人からの申告くらいしかないのだ。
まぁ、俺が他人のステータスを見る能力を持っていても、ゆかりの能力はともかく、ペルソナの能力までをも見る事が出来たかは……微妙なところだっただろうが。
「で? どんなスキルを覚えたんだ?」
「それが……チャームディってスキルで、仲間の魅了状態を回復するスキルなんだけど……」
あー、なるほど。何でどこか言いにくそうにしているのか分かった。
現在イオが使えるスキルは、ディア、パトラ、ガル。
それぞれ体力の回復、精神的なバットステータスの回復、風の攻撃魔法という具合だ。
つまり、回復2、攻撃1な訳で……出来ればゆかりとしては、回復2、攻撃2といった具合にしたかったのだろう。
「恐らくイオは、攻撃よりも回復の方を得意とするペルソナなんだろうな」
「……そうか? 寧ろ俺は、物理攻撃の方が得意そうに見えるがな」
そう告げる荒垣の言葉には、俺も反対出来ない。
実際、イオの持っている攻撃手段で一番強力なのは何かと言われれば、俺は間違いなく物理的な突進を挙げるだろう。
巨大な牛の頭蓋骨に乗った、鎖で縛られた女。
そんな存在が突進してくるのだから、それこそシャドウでなくても恐怖を感じて当然だろう。
「物理攻撃の件は置いといてだ。ゆかりにとっては嬉しくなかったかもしれないが、魅了状態を回復出来るってのは、結構いいと思うぞ」
魅了に掛かった事はないから、まだ実際にどうなるかは分からない。
だが、俺の印象で言えば、魅了状態になった奴は基本的に味方に攻撃してくるイメージがある。
そういう意味では、魅了状態を解除出来るというのは、非常にありがたい。
「そう?
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