ペルソナ3
1882話
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かりの言葉に、イオは忠実に従った。
牛の頭蓋骨が真っ直ぐに突き進み、死甲蟲の身体に横から思い切りぶつかったのだ。
もし死甲蟲が万全の状態であれば、それを回避する事も……もしくは、最悪踏ん張って攻撃を受け止めるといった真似も出来だだろう。
だが、矢が足の関節に突き刺さってる現状では、俊敏に動く事は不可能で、同時に持ち堪えるにも、関節に突き刺さっている矢が邪魔となる。
結果として、まさにぶちかましと呼ぶに相応しいイオの一撃は、激しく死甲蟲にぶつかり……そのまま、シャドウは消えていく。
「死甲蟲を1人で倒せるようになったのは、かなりの進歩だな」
「そう?」
俺の言葉に若干の謙遜が入りながらも、ゆかりの口には笑みが浮かぶ。
死甲蟲は、15階までに出るシャドウの中でも最強のシャドウと言ってもいい。
勿論戦闘の相性というのがある以上、最強というのは人によって色々と違う。
ゆかりにとって、もっとも相性の悪い敵が、その死甲蟲だったのだ。
思い切りパワーファイターといった感じの敵だし、弓を使って後衛を任されているゆかりにしてみれば、非常に厄介な相手であるのは間違いないだろう。
それだけに、ゆかりも炎獣のフォローなしに、自分の力だけで死甲蟲を倒せたのは嬉しかった筈だ。
「けど、ゆかりが死甲蟲を倒せるようになった事で、新たな問題も出来たな」
「……16階より上、か」
俺の言葉に、荒垣がそう告げる。
どうやら荒垣も理解していたらしいと、頷きを返す。
「そうだな。現状行ける中で一番難易度の高いこの15階で、最強のシャドウの死甲蟲を倒せるようになった」
これは凄い事ではあるが、同時に最強の相手を倒してしまったが故に、次の倒すべき敵がいないという事も意味している。まぁ、勿論すぐって訳じゃないし、死甲蟲を相手にする場合でも今回みたいに1匹だけじゃなくて、数匹纏めて……とか、そういうのはまだ残ってるが……けど、今のゆかりの状況を考えると、早晩頭打ちになるのは間違いない。
となると、やっぱり可能な限り早く16階の封印をどうにかしたいんだが……さて、どうしたものやら。
俺が強引に封印を破壊するというのは、間違いなく悪手だ。
であれば、やはり原作通りの流れにすればいいんだが……果たして、その原作の流れだと、いつ16階の封印が解かれるのやら。
恐らくこの原作の主人公と思われる有里も来たんだし、そろそろどうにかなってもいいと思うんだが……
「いっそ、アルマーが岳羽の相手をすればいいんじゃないか? 幸い、アルマーはその辺のシャドウよりも強いんだし、特に問題ないと思うが。それに、アキにも訓練を付けてるんだから、それくらいは構わねえんじゃねえか?」
「それは構わないが、問題なのは戦闘スタイルだよな。
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