ペルソナ3
1882話
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本当にそう思う?」
「ああ。それに荒垣も言ったが、攻撃手段という意味なら、イオの突進は相当の威力を持つ。遠距離攻撃という点でも、イオはガルを持ってるし、ゆかりはショートボウを持ってる。それで、今のところは問題ないだろう?」
「それは……まぁ。けど、それは今だからでしょう? もし封じられている16階よりも上に行けるようになったら、攻撃力不足になると思うんだけど」
「その時は、やっぱりイオの物理的な突進とかを主力として使うとか」
「……あのね、一応私は真面目に相談してるんだけど?」
それを言うなら、俺だって殆ど真面目にその質問に答えてるつもりなんだけどな。
「とにかくだ。今は必要ないかもしれないが、将来的に必要になる可能性は十分にあるんだから、魅了を解除する手段はあった方がいいだろ」
「それは……まぁ、そうなんだけど……」
俺の言葉に一理あると理解しつつ、それでも完全に納得出来る状態ではない辺り、ゆかりの複雑な思いがあるな。
「ほら、それより……新しいシャドウが出てきたぞ」
俺とゆかりの様子を少し離れた場所で見ていた荒垣が、そう呟く。
その言葉通り、次に姿を現したのは死甲蟲。
狂愛のクビドなら、見かけからして魅了の魔法を使ってきそうな気がしないでもないんだが……残念。
いや、もし魅了の魔法を使ってくるにしても、その場合は魅了されるのはゆかりだ。
そうなると、結局意味はないのか?
それとも、いっそ荒垣を差し出して魅了状態にするまで待つか。
荒垣の方に視線を向けるが、その間に既にゆかりと死甲蟲は戦闘状態に入っていた。
ショートボウを使い、次々に矢を射っては、死甲蟲の関節を狙うゆかり。
もっとも、ゆかりの腕はかなり立つが、それでも的確に関節だけを狙える程に腕が立つ訳ではない。
いや、これが弓道場での事であれば、じっくりと狙いを付けて矢を射り、100発100中といった事が出来るかもしれない。
だが、今のゆかりは、激しい戦闘の中で矢を射っているのだ。
当然弓道部の時のように、時間を掛けて狙いを付ける訳にはいかない。
今は、とにかく一瞬で矢を射り、次の矢を番える……といった真似をする必要がある。
しかも、当然のように1ヶ所にずっといる訳にもいかず、動き回りながらそれを行わなければならないのだ。
そんな不利な状況であっても、ゆかりは諦めるといった真似をする事はなかった。
死甲蟲から距離を取り、矢を射る。
もしくは、イオに命じてガルを使ったり、時には防壁代わりに使うといった真似すらしながら、戦いを繰り広げていた。そして……
「イオ!」
ゆかりから射られた矢が、死甲蟲の足の関節に突き刺さり、その動きが鈍った一瞬。
その隙を見逃すような真似をせずに叫んだゆ
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