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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 2
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 陰陽塾地下呪練場。
 読んで字のごとく呪術の訓練をする場所であり、中央のアリーナに降りるすべての門の両脇には榊の枝が飾られ、呪力が込められた注連縄が張られている。壁面のあちこちに呪文や紋様が書かれており、これらはアリーナ内でおこなわれた呪術の影響を外へ漏らさないための処置だ。
 バスケットコート四面分はあろうアリーナで巫女クラスの生徒たちが二列にならんでむかい合っている。
 いずれも顔面部が透明になった強化プラスチック製のヘッドギアをかぶり、手には竹薙刀を持っていた。

「はじめっ!」

 女性講師のかけ声と共に薙刀同士があたる打突音や気合の声があたりに響き、格闘特有の熱気が満ちる。

「やめっ!」

 おたがいに礼をして右に一人ずれる。一番右端の者は左の端に移動して列にくわわる。
「はじめっ!」

 同じことの繰り返し。
 乱取り、地稽古、自由組み手。そのような類の実技授業をしているのだ。

「これは、思った以上に激しいな……」

 女性講師の隣で秋芳が思わずそう口にする。

「そうでしょう? 神主の補佐をして祓い清めるだけが巫女の務めではないわ。多くのものを救い、永く護り紡ぐため。神敵に対峙したさい、みずからを刃にかえて戦う。これがこんにちの巫女。陰陽塾が育成する現代巫女の姿なのよ」

 女性講師――名を若宮という――が誇らしげに語った。

「面の他にも籠手や脛あてを着用させたほうがいいのでは? かなり激しい打ち合いですし、あれじゃあ全身打ち身だらけになりますよ」
「実際の試合だと呪術の使用もありなの。だから籠手はつけないわ」
 たしかに籠手をつけていては呪符の取り出しに邪魔だし、印など結べなくなるだろう。

「どりゃぁぁぁっ!」
「どすこーいっ!」
「どっせい!」
「ちぇすとーっ!」
「チェリオ!」
「デュクシ!」
「ウラー!」

 女子とは思えぬ迫力である。

(ううむ、さながら巴御前か坂額か。巫女クラスは女傑ぞろいだな。桃矢のやつ、だいじょうぶか?) 
 視線をめぐらせて頼りない少年の姿を探す。
いた。
 案の定一方的に攻められている。めった打ちの袋叩きの、こてんこてんのこてんぱんにやられて、ボッコボッコのフルボッコ状態だった。

「もうおしまいなの? だらしないわね」
「梅桃ってば弱すぎ!」
「もうへばっちゃった? あんた早すぎ」
「男のくせにだらしがないわね」
「ちょっと、立ちなさいよ!」
「なによ、役立たず」
「もう少し我慢できないの?」

「七十人を超える女子に打たれて言葉責めされている……、だと……? M男なら即効昇天まちがいなしの天国だな……」

 打ち合いの後は小休止をはさみ、型稽古に移ったのだが、こちらのほうはなかなか様に
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