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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 2
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んと気をくばってくださいね。……この水着、そんなに気にならないですか?」
「え?」
「これでも、けっこう自信あるつもりなんですよ」
右手で胸を、左手でへその下をなぞるように押さえる。サンドロ・ボッティチェリの描いた『ヴィーナスの誕生』のポーズだ。
「私、男の子の前でこんな大胆な水着姿になるの、始めてなんですよ」
「え、ええっと……」

 三亥珊瑚。ゆるいウェーブのかかった栗色の長髪に、ととのった顔立ち。どことなく緩んだ表情が愛嬌を感じさせる。
 そして、ほのかな色気も。
 普段はおっとりとした雰囲気の彼女だが、こうして水着姿になると、やはり年相応の、いやそれどころか同年代の少女の平均にくらべれば、それ以上の艶っぽさが出てくる。それでいて清楚さを失っていないというのも特筆すべきだろう。
 こういうのは苦手だ。
 いったいどう反応したらよいのだろう?
 などと逡巡している間にも無意識のうちに視線が珊瑚の胸と脚のつけ根の間をなんども往復し、カラダのほうが反応してしまい……。

「あらあら、桃矢さん。どうしたんです? そんな急に前かがみになって」
「こ、これはその、なんと言うか……。熱膨張と言いますか……」

 女子は残酷だ。
 午後の授業のような肉体的な責めもきついが、こういう精神的な責めもつらい。

「こらぁ! 珊瑚、なにビッチってるんだ、桃矢が困惑してるだろうが。からかうんじゃない!」
「ひどい! ビッチじゃないですぅっ。だって私まだ生娘なんですよ」
「生娘ビッチめ!」
「紅葉さん、ひど〜い!」
「……ねぇねぇ、思い出したんだけど」
「ん? なんだ朱音?」
「この案件て、二隊で掃除するって掲示板に書いてあったけど、もう一隊の人たち、汚いよね?」
「む、そう言えば来てないな」
「来てませんわね」

「来てるわよ」

 !?

 緋組拾参番隊一同が声のほうへ目をむける。
 巫女クラスの制服を着た女子が三人。
 ふたつ結びのおさげ髪を胸の前にたらした四王天琥珀、長い黒髪に狐面のアクセサリーが映える七穂氏白亜、大正時代の女学生のようなロングヘアーに大きなリボンの十時眞白。
 そこにいたのは白組壱番隊だった。

「さっきから、ずーっといたんだけど気づかなかったみたいね。あんたたち、ちょっと鈍いんじゃない? もう少し見鬼を磨いたらどう」
「こそこそと穏形して様子をうかがうとは、心にやましいことがある証拠だな」

 紅葉と琥珀。両者の視線が中空でぶつかり、見えない火花を散らす。

「あの、珊瑚さん。あの二人ってなんかあったんですか?」
「ええ、ちょっとした因縁が……。琥珀さんたちとは入学当初のある事件をきっかけに、いがみ合うようになってしまいまして……」
「でもそんないがみ合いも、も
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