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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 2
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禹歩を教える」
「歩行術、ですか……」
「反閇というのは魔除けや清めの効果の他、山中の移動や仙薬作り、兵を避け悪霊を退ける、鬼神の召喚、病の治療、長寿の祈願などなど、様々な局面で使用される、非常に汎用性の高い呪術なんだ。用途や併用する術によって様々な種類が存在する。その中でも兵馬刀槍を避ける禹歩をこれから教える」
そう言って数枚の簡易式を投げると、それらは地面に落ちて複数の足跡を描いた。足跡には左1、右2、左3……。というように漢字と番号が書かれている。
「まずは基本の足運びから。ゆっくりでもいいから確実にその順番通り、左右の足をまちがえないように踏んで進むんだ」
「わかりました」
桃矢はまず左足を踏み出し、次に右足を前に出し、左足を右足にそろえて立つ。右足を先に出し、左足を踏み出し、右足を左足にそろえる。そしてまた左足から先に踏み出していくという、同じ歩き方をくり返して進む。
進むにつれ単調な動きはやがて少しずつ変化のある動きに変わっていく。左右の足を交差させたり、横にずれる動きもあった。
歩き終わると足跡は自動に反転し、番号が変わる。端から端へ同じ行為の繰り返し。
「よく『日本に伝わった禹歩が反閇と名を変えた』なんて言われるが、禹歩は反閇を構成する呪術の一つで、反閇はそれ以外の呪術もふくんだ一連の儀式のことだからな。テストに出るかも知れないからおぼえておくように」
言いながら桃矢の動きを見る。素人が慣れない動きをすれば軸がぶれ、上半身が揺れて安定しないのだが、そのようなこともなく綺麗な姿勢で移動をしていた。
(うん、やはり基本はできている。ボクシングとか刀道とか習おうとするくらいだし、この子にはそっち方面の術を教えて、自信をつけさせよう)
武術はもっとも実践的な魔術の一つ。京子には自分の知る呪≠教えた、桃矢には武≠教えてみたい。いつしか秋芳はそのような気になっていた。
「桃矢、いつかは帝式の禹歩も使えるようになりたいだろう? それには高い霊力が必要だ。立禅という身心を鍛える修練法があるから――」
秋芳は時間いっぱいまで桃矢に指導し、今日の授業は終わりをむかえた。
夕刻。渋谷区某所にある区営プール。
水の抜かれたプール内は黒ずんだカビやコケ、藻のようなもので汚れ、ぬかるんでいる。
そんな汚れた床をデッキブラシでこすり洗いする巫女たちの姿があった。
「あーっ、なんで神に仕える神聖な巫女が区営プールの掃除をせにゃならんのだ! 巫女は便利屋さんじゃないんだぞ! もうっ!」
「あらあら、うふふ。紅葉さんてば、これも人々のために神に代わって尽くす、巫女のお務めですわ」
「……そういう珊瑚、あなたなんちゅう破廉恥な格好をしてるんだ!」
ブラとス
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