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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 2
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なっており、他の巫女たちに劣らない。いやそれ以上の美しい演武を見せた。
容姿が容姿だけに、まるで歌舞伎の女形の演技を観ているかのような気になる。
「若宮先生。ちょっと梅桃桃矢に個人指導したいのですが、よろしいですか?」
「ええ、いいわ。どうせ残りの時間いっぱい自由練習だし、男同士気がねなく教えてあげて」
秋芳は桃矢を呪練場のすみに呼んで稽古をつけることにした。
「さっきの演武、綺麗だったぞ」
「あ、ありがとうございます。打ち合いは苦手なんですけど、型にはちょっと自信があるんですよ」
「その打ち合いなんだが、演武の時と同様にすり足もできてるし、軸もまっすぐで安定していて動きは悪くない。なにか武道でもやってたのか?」
「あ〜、はい。その、刀道を少しだけ」
「ほう、剣道じゃなくて刀道か。本格的だな」
「でも、それもすぐ辞めちゃいました」
「やっぱボクシングの時みたいに不逞の輩がいたのか?」
「そういうわけではないんですが、指導員の方がちょっと……」
このようなことがあったと、桃矢は語った。
足しげく道場に通ってもいっこうに稽古らしい稽古をつけてくれない。
そのことを伝えると――。
「ウ〜ン……、今まで当たり前のことだと思ってたから、説明が難しいなぁ……。例えばね、ウチの道場では入門して最低でも半年は技を教えないの。最初に足運びと素振りを教えるだけ。それも一回やって見せるだけで、後はひたすら素振りの繰り返しを見ているだけ。そして、まともに刀を振れるようになった人から技を教えていくの」
「……それじゃあ、いつまで経っても上達しないお弟子さんも出てくるのでは……?」
「いるね〜、そういうの。そして、そういうヤツに限って自分の努力不足を棚に上げたがるんだな。まず、刀を振るって動作に身体が慣れないと、どんな技を教わっても身につくはずが無いんだけどね」
「…………」
「そしてそのためには自分が刀を振るしかないんだよ。やり方は見て覚える。周りに一杯お手本が居るんだから。教えてくれるのを待っているようじゃ論外。最初から教えてもらおうって考え方も甘え過ぎ。師範も師範代も現役の修行者なんだよ? あの人たちにも自分自身の修行があるの。教えられたことを吸収できないやつが教えてくれなんて寝言こくなっての」
というやり取りがあったそうな。
「……あきれたな、そいつに指導者の資格はない」
師範や師範代が何のためにいるか、わかっていない。後進の育成だって武道家の務め、先輩にもらったものは後輩に返していく。連綿と受け継がれていく技。それが道、それが武道というものだろうに。
まともに教えてもいないのに『教えられたことを吸収できないやつ』などと馬鹿にするとはどういう了見だ。
最初から教えてもらおうと
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