0222話『秋の作戦に向けて』
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く歓喜する提督が後を絶たないだろうしな。
「……まぁなにはともあれ、頑張りましょうね提督」
「はい。加賀さんにも活躍できる場があったら出てもらうからな」
「はい。楽しみにしておくわ」
そこで加賀さんが普段はあまり笑わないけど笑みを今は浮かべている。
こういう時には本当に信頼されているという実感を持てる瞬間で少し私も嬉しい。
と、そんな感じで加賀さんと楽しく話していると執務室の扉が開いて時雨が入ってきた。
「提督、少しいいかい……?」
「どうした時雨?」
「うん……今日の夜から作戦が開始されるけど少し僕も不安になっているみたいなんだ。あの時の事を思い出して少し手が震えてしまっていて……」
「そうか……。あ、加賀さん……?」
加賀さんが無言で時雨のところへと歩いていって時雨の手を取ってあげると、
「大丈夫よ時雨……あなたは強い子よ。だから西村艦隊のみんなの事を信じてあなたも精一杯頑張りなさい。結果はおのずと分かってくるものだわ。だから提督の方針を信じていつも通りに……余裕の笑みを浮かべながら深海棲艦を殲滅するのよ」
「加賀さん……うん、少しだけ元気が出てきたかもしれない。ありがとう、手の震えもおさまってきたみたいだ」
「そう……それならよかったわ」
そう言って加賀さんは時雨の頭を撫でていた。
時雨も気持ちよさそうに笑みを浮かべているしな。
「なんだか加賀さんにお株を取られてしまったみたいだな」
「ふふ……いつも提督ばかりに良い思いはさせませんよ?」
「はは、それは参ったなぁ……」
苦笑をするも悪い気分ではない。
こういう事も普通に話せる事が嬉しいんだから。
「まぁいいけどね。それより時雨。不安もあるだろうけど今回の主役は間違いなく君達だ。だから思いっきり戦ってきてくれ」
「うん、わかったよ。僕も……今度こそみんなであのスリガオ海峡を乗り越えてみせるよ」
「その意気だ」
「うん!」
それで時雨も笑顔になってくれたので良かったと思う。
「後は今夜の大本営の発表を待つのみだけど艦隊のみんなはどんな感じか知っているか……?」
「うん。みんな気合が入っているよ。特にレイテ沖海戦に参加した子達はかなり気力が溢れている感じだね。坊の岬組のみんなも涼月が仲間になると知ってからはいつもよりはしゃいでいるしね」
「そうね。初霜や雪風もいつもより幸運の値がマシマシな感じで笑顔を振りまいているのを見たわね」
「なるほど……みんながみんな気力は十分という事だな」
「そうだね。だからね提督。みんなはもう提督の事を信じているのは知っていると思うからこれからも信じさせてね?」
「そうね。私も時雨の意見には賛成だわ。提督、腕の見せ所ですよ」
「それは頑張らないといけないな。加賀さん、時雨
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