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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 1
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いだからだ。なんでそんなに鶏がきらいかというと、この神様は夜遊びが好きでな。それで夜な夜な出かけていたんだが、夜明け前には家に帰らなければいけないという決まりがあった。事代主に朝を告げる役目を一匹の雄鶏がになっていたが、ある朝、雄鶏は鳴くのを忘れてしまう。日が出てから大いそぎで家に帰る途中、事代主はあわてていたためケガをこしらえてしまったそうだ。それ以降というもの事代主はその雄鶏どころか鶏そのものがきらいになったとか」
「「「へー」」」
「「「へー」」」
「「「へー」」」
「なんか日本昔話にありそう」
「これは神話の時代のできごとが、精神が今の時代にもしっかりと伝わり、息づいているということの証左だな。土御門夜光が呪術というものを再編成してからは、とかく技術が重視されがちだが、みんなは巫女としてこのような精神を大事にしなければならない」
言い終えたその時、ちょうど授業の終了を告げるチャイムが鳴った。
「はい、おしまい。午後の授業は武道実技だから、昼食を食べすぎないように注意すること。それじゃあまた後で」
秋芳は退室する前にあらためて教壇から教室内を見まわした。機能的な階段教室という造りは陰陽師クラスのそれと同じだが、広さは二倍以上ある。八〇人近い巫女たちに見下ろされて講義するというのも、なかなかできる経験ではない。
「賀茂先生」
「ああ、桃矢――。て、どうしたんだ、その全身の生傷は!? さてはきのうの連中に仕返しでもされたのか?」
「あ、いえ、ちがいます。これは刀会の練習をして作った傷で……」
「そうなのか。それにしてもまたずいぶん派手にこしらえたもんだな」
「あはは、相手の人が熱心でしたからね」
「賀茂先生」
その『相手の人』が秋芳に声をかけた。
「緋組拾参番隊の二之宮紅葉といいます。きのうはうちの桃矢がお世話になったようで、ありがとうございます」
「同じく一の瀬朱音です。えへへ、先生の授業すっごく面白かったですよ。賀茂先生てあだ名とかあるんですか? 出身地てやっぱり京都か奈良なんですか? 血液型は? 好きな食べ物は? 趣味は? 好みのタイプの女性は? あ、恋人っています?」
「あらあら、うふふ。朱音さんてば、そんな急に質問攻めしたら賀茂先生がこまっちゃいますよ。あ、私の名前は三亥珊瑚。緋組拾参番隊の者です。これからよろしくお願いしますね、賀茂先生」
おお……。
内心感動に震える秋芳。この反応、この質問攻め。まるで転校生に対するそれではないか。入塾初日はすっかり笑狸に持っていかれたが、自分はこういうのを期待していたのだ。
「はじめまして紅葉君」
この左手でエレキベースを弾いたり、テレアポセンターで働く勇者みたいな凛とした声の子が二之宮紅葉だな。
「俺にあだ名は
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