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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 1
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桃矢に食ってかかる。
 二之宮紅葉。桃矢の所属する緋組拾参番隊のまとめ役。リーダー的存在の女子だ。

「ええっと、それはその……」

 不良にからまれたところを助けられ、その助けた人というのが明日から講師として来る予定の賀茂秋芳。男子寮にある彼の部屋でお茶を飲ませてもらい、ここまで送ってもらったのだが、途中で霊災に遭遇。修祓した――。ちょっと一言では説明できない。どのように言葉にするか逡巡する桃矢に助け舟が出された。

「あらあら紅葉さん。そんなふうに言わないで、もっとこう、幼なじみが照れ隠しに怒ってる感じで言わないと、桃矢さん萎縮しちゃいますよ」

 三亥珊瑚。腰までのびるゆるやかに波うった長髪と眼鏡が印象的な、いかにも優しい感じのする女子が、そう紅葉をたしなめる。

「もみもみ〜、お小言は後にして夕ご飯食べようよ〜。もうお腹ぺっこぺこだよ〜」
「もみもみ言うな! それと変なとこさわるな!」 

 アニメのようなアホ毛をのばした茶髪ショートの少女が背後から紅葉にすがりつき、鼻にかかった声で懇願する。この娘の名は一の瀬朱音。
 この三人の少女たちが桃矢のルームメイト。緋組拾参番隊の構成員だ。

「くっ、しょうながないな。よし、とりあえず食事だ。道草の言いわけはその後で聞こう」
「わ〜い、ごっはん〜ごっはん〜♪」

 こうして桃矢たちは遅めの夕餉をとることにした。





「――ということがあったんです」
 
 女子寮の食堂。
 五穀米に味噌汁、焼き魚と旬野菜のサラダ、デザートは果物。主食と主菜、副菜。栄養バランスをきちんと考慮した寮母さんお手製の食事をすませ。ひと息ついた桃矢は今日のできごとを紅葉たちに話した。

「……そうか。まだ私たちと同じ学生が講師をするというから、少々不安だったが、その様子だと呪術者としての実力はたしかみたいだな。それに腕っぷしも強いというのも気に入った。そうでなければ武道の実技もある巫女クラスの講師は務まらないからな」

 麦茶をすすり最後まで桃矢の話を聞いた紅葉はそのような感想をのべた。ちなみに食堂では朝昼は緑茶、夜は麦茶が置かれている。これはカフェインを摂ると夜寝つけなくなるからという配慮からだ。寮母さんはつねに学生の体を気づかっている。

「そうですわね。でも今のお話に出てくる賀茂秋芳さんて方、想像していたルックスとちょっとちがいますわ。賀茂氏の末裔というから、もっとこう貴公子って感じの方かと思っていたのですが、坊主頭だなんて……」
「いいじゃないか、お坊さんみたいで功徳がありそうだ」
「ふぁぁぁ……。ねぇ、ご飯食べたら眠くなってきちゃった。もう戻ろ」
「あ、そうですね。僕も今日は色々あって疲れちゃいました。早めに眠りたいです」
「なにを言ってるん
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