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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫之御子 1
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といわれる。心の平静をたもてなくするような事象。すなわち『気枯れ』だ」
「あ、それって、つまり霊災ってことですか?」
「そうだ。自然界に満ちる霊気のバランスが崩れて瘴気へと転じ、これが自然界が持つ自浄作用の限界を超えることで発生する霊的災害。ここまでがテストに出てくる範囲だな。……だがなにが正常でなにが異常かなてのは、その時その時。個々人によって異なるもんだ。あんがいこいつら霊災からして見りゃ、俺たちのほうが『瘴気』や『霊災』なのかもな」
この理屈は桃矢にも理解できた。立場を変えて見れば良いことも悪いことに、悪いことが良いことにもなりうる。だが、だからといって襲ってくる霊災、この餓鬼たちに食べられてしまうのは絶対にいやだ。
「霊災修祓の手順は知ってるな?」
「はい。まず霊災を結界で隔離して周囲への被害を抑制。そのうえで霊気の偏向を分析して是正するか、強力な呪力をぶつけてかたよった霊気を強引に散らす……」
「正解。実に教科書とおりの模範解答だ、中途編入にしてはよく知ってるなぁ、春虎も見習って欲しいよ」
いまだに小テストで赤点を連発するクラスメイトの顔を脳裏に浮かべつつ話を続ける。
「こいつらはすでに結界に封じてある。少々の呪力をぶつけたところで破れはしないから、一体でもいい、修祓してみろ」
「ううう、わかりました……」
桃矢は意を決して餓鬼の姿を『視る』。五気が偏在しているが、強いていえば土気が強い。
それにしてもひどい瘴気だ。まるで見えないキャンプファイヤーが燃え盛っているかのようで、秋芳の結界が隔てているにもかかわらず体が焙られているかのような錯覚がした。霊災に慣れていない身にはこたえる。
それに醜い。見るからに不潔なざんばら髪を振り乱し、よだれを垂らしながら人とも獣ともつかない奇怪な動きで徘徊する、絵草子に描かれた餓鬼そのものの姿。ホラー映画などに出てくる作り物のクリーチャーすら苦手で、グロテスクなものに耐性がない桃矢は注視していた餓鬼からつい目をそむけてしまった。
「汚いもの、醜いものから目をそむけてはいけない。それらを祓い清め、鎮めるのが巫女だ。目を閉じていたら修祓はできないぞ」
「は、はい!」
桃矢はくじけそうになるのを懸命にこらえて、祝詞を唱える。
「神火清明、神水清明、神風清明。祓いたまえ浄めたまえ……」
神道式の九字を切り、刀印が走るたびに浄化の光が餓鬼を打つ。
「あなや!」
「どうした?」
「わからぬ、どこからか礫でも投げられたようじゃ」
「気をつけよ」
「うむ」
「あなや!」
「どうした?」
「わからぬ、どこからか礫でも投げられたようじゃ」
「気をつけよ」
「うむ」
「あなや!」
「どうした?」
「わからぬ、どこからか礫でも投げ
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