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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
巫女学科
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しちまったのかね、水滸伝でも読んで少しは暴れて欲しいものだよ、まったく」
「そういえば水滸伝の美少女化ものってまだないよね」
「そうだな、日本の戦国武将や三国志の英傑が美少女キャラになったやつならやたらとあるが、水滸伝はまだないんじゃないか? いや、俺らが知らないだけで断言はできないが、すでにあったとしてもメジャーじゃないよな」
「なんでだろうね?」
「う〜ん、やっぱ百八人も美少女キャラ化するのが大変だからじゃないか? ヴィジュアルとか考えたりするのが」
「李逵は色黒のバカロリキャラだよね」
「うん、わかる」
「呼延灼はボンデージファッションで鞭を手にした女王様」
「安直だが妥当な線だな」
「阮三兄弟あらため三姉妹はスク水着用」
「ああ、それは絶対そうだわ。少なくとも一人はスク水着てるな」
ふと、笑狸の足が止まる。
「どうした?」
「ねぇ、あれってうちの、巫女クラスの制服じゃない?」
 
 笑狸が指さす方向。にぎやかな通りの中にあって人々が避けて通る一角がある。紅白の目立つ制服を着た一人を五人の若者が取り囲んでいた。

「なにやら良からぬ風体の連中にからまれているようだな」

 剣呑な空気を察して遠目に観察していると、若者の一人が巫女の腹部に拳をめり込ませたではないか。それを秋芳の動体視力は見逃さなかった。

「義を見てせざるは勇無きなり。同じ学び舎に通う朋友の危機は見過ごせん」
 秋芳は路地裏に駆け、笑狸もそれに続く。





「はいそれまでー。警察に通報されたくなかったら、狼藉者のみなさんはとっとと退散しちゃってくださーい」

 秋芳はそう言って携帯電話を水戸黄門の印籠よろしく少年たちにつきつけた。ディスプレイには『110』の数字が出され、発信ボタンを押すようなそぶりを見せつける。

「暴行と強制わいせつの現行犯だ。悪いことは言わないから――」

 いきなり茶髪が殴りかかる。
 桃矢は助けに入った青年が殴られる様を想像して思わず目をつぶった。が、彼が危惧したことは現実には起きなかった。秋芳は茶髪の拳を受けも逃げもせず、首を動かしただけでそれを避けたからだ。
 次の瞬間、秋芳の脛が茶髪のそけい部にめり込んでいた。

「〜〜〜〜ッ!?」

 あわれ、急所を蹴りを潰された茶髪は声もあげずに口から泡を吹いて倒れ伏す。

「乱暴だな。しょっ引かれたいのか?」

 そう口にする秋芳だったが、言葉とは裏腹に携帯電話をしまい込んだ。
もとより警察に通報する気はなかった。
 通報というやつが実にめんどくさいからだ。現場でわかりやすい場所に立って待っていろと命令されるし、住所氏名を言わされる。匿名で用件だけ伝えて切っても、警察には強制的にこちらの電話番号がわかる。こちらから電話を切
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