ペルソナ3
1881話
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「えっと、じゃあトロ肉しょうゆラーメンを2つ。片方は麺大盛りで。それと餃子とチャーハンを1つ」
注文を終えると、俺は目の前に座っている人物に視線を向ける。
はがくれに来るのは初めてだったのか、それとも久しぶりだったのか……それは分からないが、ゆかりは物珍しそうに周囲を見回していた。
「トロ肉しょうゆラーメンって、このお店の名物なんでしょ?」
「ああ。コラーゲンたっぷりで美容にもいいらしい。もっとも、そういう関係がなくても美味いけどな」
薬膳料理というのは、効能を重視している為に味という点は不味い……とまではいかなくても、いまいちというのが多い。
だが、トロ肉しょうゆラーメンは効果はしっかりとあり、それでいながら味も美味い。
トロ肉しょうゆラーメンを薬膳料理と呼ぶのは、ちょっと厳しいが。
「ふーん。そう言って桐条先輩もこの店に連れてきたの?」
「別にそんな訳じゃないけどな。ただ……そう、成り行きだな。向こうにとっては、俺の事を少しでも理解したかったとか、そう思っていたのかもしれないけど」
そう告げつも、ゆかりは何故か小さく溜息を吐く。
俺が桐条と一緒にこのはがくれに来たと知ったゆかりは、何故か機嫌が悪くなり……結果として、俺がゆかりをここに連れてくる事になったのだ。
いやまぁ、はがくれのラーメンは美味いからいいんだけどな。
「それにしても、相変わらずよく食べるわね」
「あー、俺の場合は幾ら食べても太らないし」
「……殺すわ」
一瞬、本当に一瞬だったが、間違いなくゆかりの身体から殺気が漏れていた。
どうやら今の一言はゆかりにとっても許せる事ではなかったのだろう。
もっとも、ゆかりも普段はタルタロスで……それも俺のフォローはあれど、基本的には1人で15階のシャドウと戦っているのだ。
当然のように、それだけ運動していれば、ゆかりも太るようなことはない。
それどころか、普段よりも多く食べないと痩せていってしまう。
……だが、それでもゆかりにとっては、俺が食っても太らないというのは、面白くなく……許容出来ない事なのだろう。
その辺は女にとって譲れない場所といったところか。
「あー、ほら落ち着けって。取りあえず今日はタルタロスに行って身体を動かせば、ここで食べた分は簡単に消費出来るだろ」
その言葉に、ようやくゆかりも落ち着いた様子を見せる。
はがくれは偉大……って事にでもしておくか。
そんな風に思っていると、やがて最初にラーメンが運ばれてくる。
「へぇ、これが……美味しそうね」
「ん? もしかして、ゆかりもはがくれに来るのは初めてなのか?」
「当然でしょ。そもそも、女の子がラーメン屋に来るとかあまりないし」
「……そうでもないと思うけどな
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