ペルソナ3
1881話
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思うんだが。
「へぇ、いい匂いね」
餃子とチャーハンの匂いに、ゆかりは羨ましそうに告げる。
ゆかりにしてみれば、食べたい。食べてみたいが……同時にカロリーも気になるといったところか。
「取りあえずちょっと食べてみるか?」
「う……ちょ、ちょっとだけよ?」
料理の香りには勝てなかったのか、ゆかりはそう言って餃子に箸を伸ばす。
出来合の皮を使っている訳ではなく、餃子の皮から手作りされている餃子は、外側はカリッとしており、皮はもっちりとしている。
中の具もしっかりと練られており、餃子のタレにこれ以上ない程に合った。
うん、やっぱりはがくれの餃子は美味いな。
餃子の味に満足し、次のチャーハン。
チャーシューの端の部分やメンマのみじん切り、長ネギ、椎茸といった具材の、シンプルなチャーハン。
だが、シンプルなだけに味に誤魔化しがきかないのは間違いのない事実だった。
白米が卵でコーティングされているその技術は、それこそその辺の本格中華料理店の料理人ですら難しい代物だった。
「美味しい……」
餃子に続き、チャーハンも食べたゆかりは、その味に驚く。
「だろ? この店が流行ってる理由は、これで分かったと思うんだが?」
「そうね。完敗だわ。他にも、はがくれ丼とかいう隠しメニューがあるんでしょ?」
「……この店に来た事はなかったけど、よく知ってるな」
「そりゃそうよ。来た事はなかったけど、この店は有名だし……それにはがくれ丼って隠しメニューを店長に提案したのって、うちの学生なのよ?」
「本当か、それ」
はがくれ丼ってのは、ラーメンに使っているチャーシューがメインとなっている丼だ。
それだけを聞けば、確かに簡単な料理に聞こえるだろう。
だが、実際には単純な料理ではなく、細かいところに色々と手が入れられている。
勿論その全てを提案した月光館学園の生徒が決めた訳ではなく、この店の店長や料理人が出されたアイディアに工夫を加えていって今のはがくれ丼が出来上がったのは間違いないだろうが……それでもやはり、一介の生徒が、と驚く場所ではあった。
あ、でも中学生で屋台とはいえ店を経営していた四葉の件を考えると、そこまでおかしな話じゃないのか?
「ええ。何でもグルメキングって呼ばれているらしいわ。ここ以外にも色々と美味しいお店を知ってるとか」
「へぇ、今度話してみたいな」
「あー……それはちょっと止めた方がいいかも」
俺の言葉に、何故かそう告げてくるゆかり。
今までは結構問題ない感じだったのに、何でだ?
そんな俺の疑問を感じたのか、ゆかりは少し言いにくそうにしながら口を開く。
「そのグルメキングって呼ばれてる人、美味しいお店の件に関しては信頼出来るんだけど、
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