ペルソナ3
1881話
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」
ラーメンのスープをレンゲで飲みながら、周囲を見回す。
店はそこまで広い訳ではないが、それでも客の数はそれなりに入っている。
そして今の客の中には、女の客も何人かいた。
それに今まで結構この店を利用しているが、その中で女の客を見た事も多い。
「私は、ちょっと来にくかったのよ」
俺の視線を追い、そこに女……女子大生くらいか? そのくらいの年齢の女が2人、俺達と同じトロ肉しょうゆラーメンを食べているのを見ながら、ゆかりがそう言ってくる。
まぁ、個人的にラーメン屋に行きたくないという意見を否定はしないし、そういうラーメン屋があるというのも、理解はしている。
だからそれ以上は言わず、ラーメンを食べる。
そもそも、ラーメンはゆっくり食べていれば、麺がスープを吸ってしまう。
勿論すぐにそうなる訳じゃないが、それでも食べるのは早い方がいい。
……食事はゆっくりと食べた方がいいんだけどな。
そんな風に思いながら、長時間煮込まれて柔らかくなっている角煮をゆっくりと味わう。
殆ど顎に力を入れなくても、解けていく肉の線維がえもいわれぬ快感をもたらしてくれる。
麺もしっかりと歯応えがあり、スープに絡む。
うん、美味い。
ゆかりの方に視線を向けると、ラーメンの美味さに驚きの表情を浮かべているゆかりの姿があった。
何気にラーメンはカロリーの高い食べ物で、今回は更にそこに豚の角煮も乗っていたりする。
だが、以前から言ってるように、このくらいのカロリーであれば、ゆかりはタルタロスで容易に消費出来るだろう。
幾ら食べても太らないという俺の体質はゆかりを始めとした他の者達にしてみれば羨ましいかもしれないが、ゆかりの状況も羨ましがられるには十分だろう。
もっとも、だからって現在のゆかりの状況と代わるか? と言われても、それを許容する者がそうそういるとは思えないのだが。
でも、ダイエットに対する女の貪欲さを思えば、代わって欲しいという奴が出てこないとも限らない。
……まぁ、命懸けの戦闘をするくらいであれば、それこそ走ったりすればいいだけだと思うんだが。
「どうやら口に合ったみたいだな」
「ええ、美味しいわ」
少しだけ悔しそうにしているのは、今までこのラーメンの美味さを知る事が出来なかったからか。
「お待ちどう」
店員がそう告げ、俺の前にチャーハンと餃子を置く。
その際に俺を見た視線の中に嫉妬が混じっていたのは……まぁ、以前桐条を連れてきて、今日はゆかりを連れてきたんだから、分からないでもない。
何だかんだで俺の姿は目立つし、はがくれをかなり利用している。
当然店員が俺の事を覚えていてもおかしくはない。
もっとも、店にしてみれば大量の注文をする俺は良客だと
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