161部分:TURN16 南京沖会戦その三
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
TURN16 南京沖会戦その三
「それじゃあね」
「ええ。今からね」
「頑張ってね。俺が戦場にいたら外交問題になるからね」
軍事顧問だがガメリカはまだ日本とは交戦していない。だからだ。
キャヌホークは今は戦線に出ないというのだ。こう言ったのである。
「ではね。後は頑張ってね」
「勝つから。期待していてね」
「そうさせてもらうよ」
「北京からだけじゃなく香港からも来てるけれど」
日本帝国軍は香港とマカオも占領したからだ。そちら方面からも彼等が攻め入っているというのだ。
「勝つからね」
「念の為に万歳爺は重慶に退いてもらったある」
中国はシュウ皇帝について話した。
「あんな田舎に行きたくと仰っていたあるがそれでもある」
「行ってもらったのね」
「だから安心して戦えるある」
国家元首を戦いに巻き込まない、だからだった。
「南京で何とか終わらせるある」
「ええ、そのつもりよ」
ランファはその右目をウィンクさせて述べた。そうしてだった。
中帝国軍も出撃していた。そのうえで布陣してきた彼等を見てだ。東郷は長門の艦橋からだ。こう秋山に言った。
「兵器の殆どがガメリカ製だな」
「そうですね。旧式のものばかりにしても」
「それだけ関係が深いということだな」
「かなりおおっぴらに援助していますからね」
ガメリカと中帝国の関係は既に誰もが知るものになっているのだ。
「ですから」
「兵器の殆どがガメリカ製か」
「キリング家も動いていますね」
「あの家か」
キリング家と聞いてだ。東郷はその眉をぴくりと動かした。
だがそれは一瞬だけであ。すぐに表情を戻してこう言うのだった。
「そうか。関わっているか」
「だからこそあれだけの艦艇が援助されたかと」
「そうだな。そうでなければな」
「おかしいでしょう」
「全く。ガメリカも色々とやってくれるな」
飄々としたいつもの笑みだがこう言う東郷だった。
「あの手この手でな」
「ええ、我が国に絡んできますね」
「やはり避けられないか」
東郷はこうも言った。
「あの国との戦いは」
「この南京戦の後で何を言ってくるかですね」
「おそらく最後通告だな。今もな」
「宇垣閣下ですね」
「あの人がワシントンで交渉にあたってくれているがな」
「不調に終わりますか」
「そこで最後通告だな」
そうなるというのだ。
「間違いなくそうしてくるだろう」
「この南京戦の結果次第で」
「俺達が勝てば最後通告だ」
「そして若し負ければ」
「俺達にこれまで手に入れた権益を全て手放せと要求してくる」
「満州や他の星域の」
「そのうえでどうせソビエトと戦えと言ってくる」
ここまでだ。東郷は読んでいた。
「そうなるな」
「つまり我々をソビ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ